2023年12月28日 年越しそばで金運UP!?~健康長寿に良縁、厄除けも!~

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 あっという間に今年も残り少なくなってきましたね。今年の漢字は「税」とのことで、一年を通じて増税、定額減税、インボイス制度などお金にまつわる話題が多かったせいか、ちょっと世知辛い漢字になりました。こんな時こそせめて縁起の良い料理で気分を上げ、新しい年の準備をしたい、そう願うのは今も昔も変わらぬ庶民の思いかもしれません。そこで今回は、そんな庶民の思いが詰まった、大晦日に食べる「あれ」についてお話ししましょう!

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 大晦日の「あれ」と言えば、もちろん定番は「年越しそば」ですね。名代のお店に食べに行く、本格的な手打ちを予約して自宅で楽しむ、名物をお取り寄せする、はたまたカップ麺の方までその内容は色々です。また、温、冷、だけではなく最近はカレーや坦々風味、パスタ風のものまで様々で、特にこれと言ったきまりは無いようです。

 それは、「年越しそば」の起源が貴族や武家のしきたりではなく、鎌倉時代に、お寺で村人に振舞われていたそば餅を食べて運気が上がったことから来ており、いわゆる町民文化が根付いたことが理由のようです。江戸時代の中期に商人の家では、月の末日にそばを食べる習慣があり、その「三十日(みそか)そば」の習慣が年末だけ残り、年越しそばの起源となったとも言われます。

 由来については諸説あり、地域によっては元日に食べることもありますが、一般的には大晦日の年越しの際に食べるとされています。具材はえび天、卵、油揚げ、鶏肉、鴨肉、紅白かまぼこなど、縁起が良いと言われるものが主流で、地方よって郷土色があるのも魅力のひとつです。また、そばはビタミンや食物繊維が豊富で、脳卒中や高血圧などの予防や老化予防にも効果があるルチンが含まれており、栄養的にも優れています。

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▲鴨ネギそば

 そして意外と知られていないのが、「年越しそば」に込められた庶民の願いの数々です。

 まずは、そばの麺は「細くて長い」のが特徴のひとつ。そばの麺のように長く元気に過ごせるようにと、長寿や延命の願いが込められているという説。次に、そばは気候の厳しい山間地でも育ち、強い風雨にさらされても、日に当たれば元気に育つ丈夫な作物であることから、それにあやかり、健康を願って食べられるようになったという説があります。ほかには、そばの麺がほかの麺類よりも歯切れがいい、または切れやすいということから、一年の災難や苦労を断ち切るという意味もあり、さらに、長寿を願うのと同様に、そばの麺のように良縁や家族の縁が長く継続する=良縁の継続を願って食べるようになったという説もあります。そして最後に忘れてならないのが、金運アップの願いです!金銀細工師は金箔をのばす際にそば粉を使っていて、金粉や銀粉を集めるためにそば粉の団子を使用していたそうで、「そば=金を集める縁起物」として食べられるようになった、という説もあります。

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▲卵あんかけそば

 一般的には温かい汁そばのイメージかと思われますが、そばの本場信州などでは冷たいそばの方がポピュラーです。また、あまり良質のそばが手に入らない地域では、茶そばになっていたり、乾麺が主流だったりで、バリエーションも色々ですが、近年は本格的な冷たい盛りそばを温かい汁に浸けて食べる「つけそば」も人気のようです。濃いめの熱い汁にミディアムに焼いた鴨と焼いたネギを煮て添えた「鴨ネギそば」や、さっと温めたナメコにゆでた三つ葉とゆず皮で食べる「ナメコ蕎麦」、くず粉でとろみをつけた汁に溶き卵を流した「ふんわり卵そば」などは行列店の味を自宅でマネできるワンラックアップメニューとしておススメです。生めんでも乾麺でも自宅で茹でれば茹でたての香ばしい風味で1年を締めくくれますよ。是非チャレンジしてみてください。

 今年もありがとうございました。みなさまにとってどんな年になりましたか。

 来年もステキな1年となりますように。それでは、よいお年を!

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