2023年11月20日 これからが旬!冬の主役「白菜」

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 晩秋から初冬、朝晩の冷え込みがつらくなると、あったか鍋料理の季節ですね。鍋と言えば、何はともあれ白菜とねぎは必須アイテムで、そこからメインの具を考える方も多いのでは?何鍋にするにしても白菜は何となく和風のイメージですが、もともとの原産地は中国の北東部ですから、本来は八宝菜などの中国料理野菜と言えなくもありません。でも、あっさりと癖がない風味は、日本で鍋食材としてだけではなく炒め物や漬物材料として根付き、韓国でもキムチに欠かせない食材になりました。アクが少なく、淡白な味わいは組み合わせる食材を選びませんから、もっと冬の万能野菜として活躍の場がありそうです。そこで今回は白菜について、定番だけではない新しい料理法も交えてご紹介しましょう。

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▲白菜の天日干し


<白菜の栄養>

 まずは、白菜の栄養面から。意外かもしれませんが、白菜はジャガイモなどと同じようにビタミンCを多く含んでいるため、風邪などに対する抵抗力を強める働きや、美肌効果などがあります。さらにビタミンKや葉酸、カルシウムも含まれています。また、白菜はアブラナ科の野菜ですから、殺菌作用や抗炎症作用があるイソチオシアネートも含んでいます。

 <白菜の旬>

 次においしい時期ですが、晩秋から冬にかけて、これからの季節が旬です。通常は夏から秋にかけて種をまき、気温が1517℃に下がると結球がはじまり、気温が下がるにつれて固く締まっておいしさを蓄えます。霜などで凍らないように、内部から糖度を上げてうま味を増しますので、一番外の葉が寒さで枯れるくらいがベストの食べころです。

白菜は、春に花茎を伸ばし黄色い花を咲かせますが、花が咲く前の蕾は菜の花のように食べることができます。市場にほとんど出回らないことから大変貴重で、生でも、さっと加熱してもおいしくいただけます。茎は太くてボリュームがあり、苦味はなく、甘味が強くておいしいといわれています。

 <白菜の黒点>

 白菜の黒点は"ゴマ症"と呼ばれ、細胞の老化現象のひとつです。ポリフェノール類が褐色に変わったもので、収穫の遅れや、窒素過多(過肥料)が原因で、病気や虫食いではありません。見た目が悪く敬遠されがちですが、薄く剥けば問題なく食べることができます。

 買って来たらすぐに、鮮度が良いうちに縦に切り分け、数時間日光に当てると余分な水分が飛んで甘さが増すばかりでなく保存性も上がります。カットして販売されている物は傷みが早いので、丸ごと買って自分でカットし、日干しをして新聞紙などで包んで冷蔵しておけば長持ちしますよ。

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▲白菜とアーモンドのサラダ

 <白菜の調理いろいろ>

 最後に、調理のコツですが、ポイントは白菜を1つの野菜として扱わないことです。やわらかい葉の部分はレタスや春キャベツのような扱いで、生でサラダやオリーブオイルやバターなどでさっと火を通すメニューがおススメです。軸の硬い部分は煮る、焼く、炒めるなど、じっくりと火を通し、深いうま味を生かしたメニューにすると、鍋の脇役だけでない主役級の味わいで重宝します。

 葉と軸を一緒に食べる場合でも、必ず葉と軸に分けてそれぞれに火入れするようにします。例えばサラダなら、葉は大きめにカット、軸の部分は斜め薄切にしてさっと塩茹でし、生の葉と合わせて薄口しょうゆか塩で味つけし、洋風ならオリーブ油、和風ならごま油などをまぶして、お好みでチーズやナッツ、ゴマなどを振れば完成です。

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▲白菜のスープ煮

 白菜は、合わない調味料を探す方が難しいほどに癖のない淡白な味わいですから、和食や中華だけでなく、オリーブオイルにガーリックの香りを移してじっくりと焼けばビールやハイボールのお供に、バターで炒めて生クリームと煮込めばワインにも合います。さらにジャン(醤)系や味噌など風味の強い調味料との相性も良いので、肉類などと炒めあわせると、ご飯が進む1品になります。価格も安定し、これからが旬の白菜、ジャンルにとらわれず色々なメニューで楽しんでください!


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