2023年7月31日 腸活で熱中症予防

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 梅雨も明け、いよいよ夏本番。今年は梅雨明け前から気温の高い日が多く、連日のように熱中症警戒アラートが発令されています。

 海に山にと外出が多い夏休みは特に注意が必要です。新型コロナウイルスが5類になってはじめての夏とあり、今年は行楽予定を立てている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、熱中症・夏バテ対策として、夏の暑さに負けない「からだ」づくりに関するポイントをお届けします。

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◆熱中症とは◆

 ヒトは37℃前後という狭い範囲で体温を調節する恒温動物です。暑いとき、ヒトは発汗などにより放熱して体温を低下させます。ところが、熱の産生と放熱のバランスが崩れると、体温が調節できなくなり、急激に体温が上昇し、熱中症になります。

 ◆熱中症の3つの要因◆

 環境省によると、熱中症が起こる要因は、気温や湿度、日差し、風の有無などの「環境」、年齢や体調などの「からだ」、運動や長時間の屋外作業、水分補給の有無などの「行動」の3つ。また、熱中症は屋内にいてもなることがあるので、油断は禁物です。

*熱中症を引き起こす条件 

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(環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」より抜粋)

 熱中症の症状には、「高い体温」や 「赤い・熱い・乾いた皮膚(全く汗をかかない、触るととても熱い)」、「ズキンズキンとする頭痛」、「めまい」、「吐き気」などがあります。熱中症が疑われる場合は、涼しい場所に移動させて、衣服をゆるめ、水分と塩分を補給します。ただし、呼びかけに反応がない、自力で水が飲めない場合は、病院への搬送が必要なので、具合が悪い人のそばを離れず注意深く見守りましょう。

 ◆暑さに負けない「からだ」づくり◆

 熱中症対策として重要なのは、十分な「睡眠」と「食事」です。寝不足は熱中症の大きな要因となりますし、夏の暑さで食事量が減ると、体力が落ちるばかりでなく、食事からの水分摂取も減り、脱水状態になることもあります。

 食欲のないときは、とにかく食べられるものをと、麺類や清涼飲料水、ゼリーやアイスばかり食べていませんか?こういった食事では、炭水化物は過剰なのに、それを体内で活用するために必要なビタミン・ミネラルが不足するため、かえって倦怠感が増したり、食欲不振が増強してしまうという悪循環になりかねません。

 熱中症・夏バテ対策の食事では特に、次の栄養素が不足しないように気をつけましょう!

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▲糠漬けは、糠に含まれるビタミン、ミネラルが野菜に移り、栄養価がUP!

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◆免疫力を高める「腸内フローラ」◆

 新型コロナウイルスの流行とともに、よく耳にするようになった「免疫力」。免疫とは、体内に侵入する細菌やウイルスなどの病原体から身を守る防御機能のことです。

 免疫システムは、目、鼻、口、腸管など、身体のあらゆる場所で作用しますが、全身の免疫細胞のうち約6070%が腸管に集中しているといわれています。つまり、腸内環境が崩れた状態では、免疫力が低下してしまうというわけなのです。

 人間の回腸から大腸には数100兆個もの微生物が生息しています。この微生物群を「腸内フローラ」と呼びます。腸内フローラは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つの菌にわけられます。腸内では3つの菌がバランスを保って、免疫システムを維持しています。しかし、悪玉菌が優勢になると、日和見菌も悪玉菌の見方をするので、善玉菌が優勢な状態にしておく必要があります。

 ◆「腸内フローラ」を整える!◆

 善玉菌を優勢にしつつ、腸内フローラを整えるためには、善玉菌を含む発酵食品を食べることが有効です。納豆の納豆菌、糠漬けの乳酸菌や酵母菌、ヨーグルトの乳酸菌などです。

 善玉菌を直接取り入れる以外に、善玉菌のエサとなる成分として、食物繊維やオリゴ糖などを摂取する方法も効果があります。

 熱中症・夏バテ対策に必要な栄養素に加えて、腸内フローラを整える食品・栄養素も積極的に摂り、元気に夏を乗り切りましょう!

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▲善玉菌を含む発酵食品には、「納豆」、「糠漬け」、「ヨーグルト」などがあります

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