2023年2月10日 「チョコはもともと王様のドリンク!?」今さら聞けないチョコレートの基礎知識

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今年ももうすぐバレンタインですね。チョコレートメーカーでは年間売り上げの半分がこの時期に集中するというほど、一年で一番チョコレートが注目される時期です。耳慣れたメーカーのお手頃なものから、世界的レベルの有名ショコラティエ(チョコレート職人)の作品まで様々なチョコレートが登場し、一粒数千円のものも珍しくありません。一体どう選べば良いのでしょうか?

そこで今回は、そもそもチョコレートって何?という"基本のき"から、高価な希少品の価値まで、チョコレート選びの指針と、ボウルで混ぜて焼くだけなのに本格風味のチョコレートブラウニーのレシピもちょっぴりご紹介しましょう。

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▲外国のチョコレートも色々試せてうれしい季節です

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 先ずは、チョコレートの始まりから。その歴史は何と紀元前!古代メキシコでカカオはギリシャ語のテオブロマ=「神様の食べ物」と呼ばれていました。これは現在のカカオ豆の学名ですが、アステカの皇帝モンテスマは、カカオ豆をすりつぶしてとうもろこしの粉を加え、バニラやスパイスで香りをつけたドロドロした飲み物(ショコラトル)を黄金のカップで飲んでいたとか。やがて16世紀の初め頃、大航海時代にスペインの将軍によってヨーロッパにもたらされ、独特の風味が貴族の間で珍重されました。その後、砂糖などを加えた甘い飲み物としてヨーロッパ全土に広まりますが、カカオ豆に含まれる多量の脂肪分で水とのなじみが悪く、カカオ豆の発酵時に出た酸が残っていてそれほどおいしいものではなったようです。その後、オランダ人のヴアン・ホーテン(現在も残るヴァンホーテン社の創始者)がカカオマスに含まれているカカオバターを搾り取ったココアパウダーを発明し、渋く、苦く、くどかったカカオドリンクはココアとして一般大衆の飲み物となりました。その後、イギリス人のジョセフ・フライがカカオ豆をすり潰して砂糖を加えたものにココアバターを加えて、固形のチョコレートの原形を発明し、さらに、スイス人のダニエル・ピーターによって、チョコレートにミルクを加え、甘く、まろやかで口当たりの良いミルクチョコが誕生、改良が重ねられ世界中に広がっていきました。日本に伝わったのは鎖国中の18世紀末頃の長崎、「しょくらとを」という名前で伝わり、「西洋菓子・猪口令糖(チョコレート)」が国内で初めて販売されたのは1877年(明治10年)のことでした。

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▲バラエティ豊かなチョコレート菓子たち!

  今や、世界を席巻したチョコレート=ショコラですが、原料は「カカオ」という植物の大きな実の中にある種=カカオ豆です。発酵後に、乾燥させたカカオ豆をすりつぶしてペースト状にした「カカオマス」と、カカオマスから搾り取った脂肪「カカオバター」がチョコレートの主な原料です。カカオの量(カカオマス+カカオバター)や乳成分の有無、砂糖の量などで分類され、一般的には以下のように分けられます。

●ビター(ダーク)、スイート <カカオマス+カカオバター(+糖分)>

一般的にクーベルチュールと呼ばれるタイプで、カカオ分35%以上(カカオバター31%以上、カカオマス2.5%以上)、カカオバター以外の代用油脂が使われていない、という国際規格を満たしますので、

そのままで十分においしいのですが、主に製菓用です。カカオ分が多いためカカオ本来の味を楽しむことができ、カカオ分が高くなるほど糖分が少なくなるためより苦みが強くなります。「ビター」はカカオ分60%以上、「スイート」はカカオ分55%前後を含みます。

●ミルクチョコレート<カカオマス+カカオバター+糖分+粉乳(練乳)>

クーベルチュールに乳成分を加えて作ります。カカオマス、カカオバターと糖分に「ミルク=乳成分」が加わりますので、スイートチョコよりもカカオ分は低めになり、色も淡くカカオ豆の味わい以外に乳成分の質によって味が左右されます。

●ホワイトチョコレート <カカオバター+糖分+粉乳>

色や風味の素になるカカオマスを含まず、カカオバターのみであるため、白く、甘みも強いのが特徴です。

●第4のチョコレート ルビーチョコレート、ブロンドチョコレート

スイスのカレボー社が10年かかりで開発したピンク色の「ルビーチョコレート」はルビーカカオ豆が原料で甘酸っぱさが特徴。さらにフランスのヴァローナ社が7年の歳月をかけて開発した、黄金色でキャラメルとビスケットを合わせたような香ばしさが特徴の「ブロンドチョコレート」なども新顔として注目を集めています。

  そのほか、チョコレートの製造手法のひとつとして「ビーントゥバー」があります。カカオ豆の種類、産地や発酵法などにこだわって豆を自社(個人)で入手して小ロットで製造するクラフトタイプのチョコレート。様々なシーンに応じたこだわりのお気に入りを探すのは現代ならではの贅沢な楽しみですね。

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▲混ぜて焼くだけ「ブラウニー」

  さて、泡立てなどのテクニックは不要!ただ混ぜて焼くだけですからお子さんでも作れるのが、アメリカ生まれの簡単焼き菓子「ブラウニー」です。コツは一つだけ!できればカカオ分50%以上の製菓用高品質チョコレートを買ってください。お店に負けない本格的な味わいになります。

 <作り方>

①ボウルにチョコとバターを入れ、湯煎またはレンジアップで溶かし、味を見て砂糖と塩少々も加えてよく混ぜます。

②溶きほぐした卵を①に少しずつ加えます。この時プルプルして驚くかもしれませんが構わず混ぜて下さい。

③さらに小麦粉少々を加えて艶が出るまで混ぜ、お好みでチョコチップやローストしたナッツ類を加えたら、型(できればテフロン加工)に流して焼くだけです。

 焼き立ては崩れやすいので、冷めてから切り分けてください!

 いかがですか?買って食べても、手作り食材としても楽しく、高品質な物は健康効果も期待できるチョコレート、一年で一番バラエティ豊富な今こそ、色々と試してみませんか?

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