2023年1月31日 「飲む点滴」はどちらの甘酒?
お正月が明けたと思ったら、1月も今日で最後。早いものですね。
最近は、寒い日が続いたと思ったら急に暖かくなったりと、体が気温の変化に追いつかず、体調がいまひとつという方もいらっしゃるかもしれません。
今回のテーマは「甘酒」。お正月に神社やお寺を参拝された際、甘酒がふるまわれていたという経験はありませんか?おいしいだけじゃない甘酒効果のお話です。
▲焚火の体験会に参加してきました。寒い季節にピッタリでした!
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◆「酒粕甘酒」と「米麹甘酒」
甘酒は、大きく「酒粕甘酒」と「米麹甘酒」に分けられます。
酒粕は、日本酒の原料となる"もろみ"を絞ったカスです。絞りカスとはいえ酒粕は、酵母や食物繊維、アミノ酸などが含まれており、栄養的に優れた食材です。
この酒粕をお湯で溶き、砂糖で味付けしたものが「酒粕甘酒」です。酒粕さえ手に入れば気軽に作ることができますし、砂糖の量でお好みの味に調整することも簡単です。
ただし、酒粕にはアルコールが含まれるため、酒粕で作った甘酒にもアルコールが残る可能性があります。お子様に与える場合や、妊娠中、運転をされる方などは注意しましょう。
一方、米麹甘酒は、炊いたご飯(またはお粥)に米麹を加え、60℃で6~8時間発酵させて作ります。麹菌の酵素アミラーゼが、お米のデンプンをブドウ糖や麦芽糖に分解するため、米麹甘酒には、砂糖を加えなくても自然な甘味があります。また、アルコールを含んでいないので、どなたでも、いつでも安心して飲むことができます。
米麹甘酒に含まれるブドウ糖は、全体の20%を超えています。他にも、アミノ酸やビタミンB群など、私たちの体に必要不可欠な成分が豊富です。
ブドウ糖をはじめとするこれらの成分は、病院で使われる点滴と同じであることから、米麹甘酒は「飲む点滴」ともよばれるのです。
このように「米麹甘酒」は、豊富なブドウ糖の他、アミノ酸等も含まれていますから、朝食にもぴったり。朝食は食べたくない、朝食を食べる習慣がないという人は、ぜひ「米麹甘酒」を試してみてください。
▲「甘酒カフォ・オ・レ」と「しょうが甘酒」
◆家庭で作る「米麹甘酒」
「米麹甘酒」も、少し手間はかかりますが、米と米麹を使ってご家庭で作ることができます。
実際に私も作ってみました!材料も少なく、下処理までは簡単にできますが、問題は温度管理。低すぎると発酵が進まず、高すぎると菌が死んでしまう。6~8時間もの間、60℃を保つことが非常に大変でした。私の場合、温度が上がりすぎることばかり心配して、気づくと50℃前後になっていることも...。
そんな苦労もありながら、ようやく完成した甘酒は、ほかほかと温かく優しい甘味。大変だったけど、やってよかったと思えるおいしさでした。
「米麹甘酒」作りには、ちょっとした工夫やコツが必要です。ユーキャンの「発酵食品ソムリエ」講座では、「米麹甘酒」の作り方をテキストとDVDで詳しく学ぶことができますよ。(→ユーキャン「発酵食品ソムリエ」講座のご案内)
◆飲むだけではもったいない!甘酒レシピ
甘酒は、そのまま飲むだけでなく、お料理やスイーツにも幅広く活用できます。
お料理に調味料として加えると、うま味成分であるグルタミン酸などのアミノ酸が加わり、味に深みがでます。また、「米麹甘酒」の自然の甘味を利用して、砂糖を使わないスイーツ作りにも活用できます。
▲甘酒しるこ
ユーキャンの「発酵食品ソムリエ」講座では副教材として、主菜、副菜から、ごはん・めん類、おつまみ、スイーツまで、85品のレシピを掲載した「健康発酵レシピ85」をお届けします。その中には、「甘酒しるこ」や「甘酒カフェ・オ・レ」など、「米麹甘酒」を使ったレシピもあります。
私は、作った「米麹甘酒」を冷蔵庫に保存しています。最近は、温かいコーヒーに「米麹甘酒」を加えて作る「甘酒カフェ・オ・レ」にはまっています。ほんのりとした甘味とお米の粒々が、少量でも小腹を満たしてくれるので、小腹がすいたときにぴったりです。しょうがのすりおろしを加えた「しょうが甘酒」は寒い時期にピッタリ。体が芯から温まります。
ぜひ挑戦していただきたいのが「フルーツ甘酒」!「米麹甘酒」にいちご等の果物を加えてミキサーやブレンダーにかけるだけです。おいしいだけじゃなく、果物のビタミンやミネラルも一緒に摂取することができますよ。
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ユーキャンの「発酵食品ソムリエ」講座は、科学的根拠に基づいた発酵食品のメカニズムや健康効果、発酵食品の歴史や文化など、幅広い学習内容が特徴。また、甘酒をはじめ塩麹、納豆、ヨーグルトなど、おなじみの発酵食品の作り方を紹介したDVD、発酵食品を活用したレシピ本「健康発酵レシピ85」など、副教材も充実しています。ユーキャンで「発酵食品生活」はじめてみませんか?
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