2022年11月18日 意外と簡単!自家製ラーメン~スープベースの基本のキ

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 晩秋からそろそろ初冬の冷え込みを感じる季節になってきました。冷えた身体には温かいスープがしみますね。鍋料理や熱々の麺類は欠かせませんが、中でも今や日本人のソウルフードと言っても過言ではなく、ミシュランにも掲載されるようになった「ラーメン」はまさしくあったかメニューの筆頭ですよね。大好きなのにもかかわらず、これほどに皆が大好きなのに、同じく今や国民食となったカレーなどと違い、家庭で作ってみようという方が少ない特殊なメニューとも言えます。それは多分、TVや雑誌などで仕込みに数時間や数日間、ほぼ付きっ切りなど、非常に時間と手間を要すると報じられていることや、各アイテムのバリエーションが多すぎて組み合わせ方がわからないなど、マニアックな人以外は、そもそも家庭では無理!と諦めている方が大半だからだと思います。実は、飲食店の賄いや、料理人さんの休日メニューとして意外なほど手軽に作られていることはあまり知られていません。そこで今回は、お手軽簡単バージョン"なんちゃって"なのに満足度が高い、家系ならぬ家製ラーメンの作り方をお伝えしましょう!

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 そもそもラーメンと一言に言っても、塩、醤油、味噌など味のベースと、カツオ、煮干し、ホタテ水煮、干しエビ、アサリ水煮などの魚介系、鶏ガラ、牛骨、豚骨などの動物系などのスープベースと色々です。まずは、基本となるスープの味をお好みで決めておきましょう。

 家庭で作ることを考えると、味を出すのにあまり時間がかかるのはNGなので、牛や豚の骨系は難しくなります。が、チャーシューとして使うことも加味すればブロック肉があれば好都合です。すると魚介系、鶏ガラ、肉系の中からお好きな風味を選んで、単一又は2種混合でスープベースを決めてください。

 味のベースが決まればお買い物です。お買い物に行かなくても冷蔵庫にあればもちろん問題なしです。ここでお買い物に行く前にやっておくことが一つ。これはスープの要と言える"うま味の相乗効果"のベースとなる昆布を水に浸しておくことです。味や味覚学の世界で、圧倒的なうま味を持つ昆布は世界的にもそのグルタミン酸含有量で他を寄せ付けないダントツの存在で、出汁のベースとしては和洋中のどの分野においても必須アイテムとなりつつあります。昆布水は、水出しで6時間がグルタミン酸抽出にベストなので早めに水に浸しておくことが必要です(30分浸水→加熱でも可)。

 お買い物では麺を選んだら、生姜、ニンニク、ネギ(人参、セロリ)などの香味野菜、海苔やメンマなどのトッピングはお好みで、ベースが鶏ガラなら鶏ハム用にムネ肉も1枚、豚肉なら肩ロース又はバラブロック、牛肉なら肩バラ又は脛を買いましょう。

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 さて、調理開始ですが、肉類の場合はブロック肉を糸で巻いて整え、焼かずにそのまま深めの鍋に入れ、昆布水と水をたっぷりと注いでお好みの香味野菜を加えて強火にかけ沸騰したら灰汁を取ります。灰汁がきれいになったら沸騰しない程度の弱火に落とし90分程度煮込みます。牛脛肉なら120分は必要でしょう。そのまま冷ましてからブロック肉を取り出し好みの厚さにスライスします。これらの肉ベースのスープに、浸水しておいた煮干しや干しエビ、カツオ節などを加えて一煮立させれば混合出汁の完成です。

 鶏ガラならバキバキに折るかハサミなどで大まかに切ってざっと水洗いし、大き目の鍋に鶏ガラと水を入れて火にかけ、沸騰してきたら浮いてきた灰汁を取り、氷又は差し水をしてガラガラとかき混ぜながら煮出します。再沸騰したらザルなどにあけて、鶏ガラを良く水洗いします。鍋も洗って、きれいにした鶏ガラ、お好みで生姜やネギ、ニンニク、日本酒を加え、たっぷりの昆布水と水を加え、沸騰したら軽く灰汁を取り(ほとんど出ませんが)弱火に落として沸騰させないようにゆっくり90120分程度煮出します。火を止める直前に薄~いお吸い物くらいの塩味になるように塩を加え、ムネ肉を入れたら火を止め、ゆっくりと冷まします。冷めて余分な脂があれば取り除き、これでスープベースと余熱で仕上げる鶏チャーシューの出来上がりです。鶏チャーシューはお好みの厚さにスライスしましょう。こちらもお好みの魚介系と合わせるとより深い味わいになります。

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▲野菜をたっぷりのせて「たんめん」に

 飲食店で賄いにラーメンを出せるのは、各店でベースとなるスープベースがあるから。スープベースさえあれば、後は塩、醤油、味噌などを加えて調味し、茹でた麺を投入!作っておいたチャーシューなどのトッピングを乗せれば出来あがりです。もちろん出来あがったスープベースに麺に添付されているスープペーストなどを使っても大丈夫です。

 90分や120分とあると、やっぱり大変かも~と思われるかもしれませんが、肉や鶏ガラを煮ている間はタイマーをかけておけばフリータイムです。寒い外でお店に並ぶよりはるかにいい時間だと思いますよ!是非ともあったかいお部屋で熱々ラーメンをお楽しみください。

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