2023年7月20日 ハイボールだけじゃないウイスキーの世界~通入門~

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 蒸し暑い日本の夏、キンキンに冷やした飲み物は欠かせませんが、とりあえずビール、の後に続いてハイボールという方、多いですね。でも、ハイボールはベースのウイスキーの風味が重要なはずなのに、銘柄を指定している方はあまり見かけません。そこで今回はウイスキーについてちょっと深堀して学んでみましょう。 ウイスキーmini.jpg

▲世界のウイスキーがずらり!

 そもそもウイスキーはオオムギや小麦・とうもろこしなどの穀物を原料に、蒸留して熟成させた琥珀色の蒸留酒です。似たようなお酒に「ブランデー」や「ラム」、「ジン」「焼酎」などがありますがいったい何が違うのでしょうか?

 その前に、先ずはザックリとお酒の種類をおさらいしましょう。醸造酒にはビール、ワイン、清酒、マッコリなど、それを蒸留した蒸留酒はウイスキー、ブランデー、ラム、ジン、焼酎など、それらにフルーツやハーブ、スパイス、糖分などを加えて作るのが混成酒でリキュール、梅酒、リモンチェッロなどとなります。

 ウイスキーなどの蒸留酒は、水とアルコールの沸点の違いを利用した製法で作られます。水は100℃で沸騰しますが、エタノール(飲用アルコールの主成分)の沸点は78℃程度です。この温度差を利用してアルコール分を分離する方法が「蒸留」です。つまり、蒸留酒は蒸留によってアルコール度数を高めた強めのお酒という事になりますね。ちなみに「ブランデー」は、オランダ語で「burnt(焼いた)、wine(ワイン)=ブランデウェイン」が語源といわれていて、雑な言い方ですが、ビールを蒸留したのがウイスキー、ワインを蒸留したのがブランデー、日本酒を蒸留したのが米焼酎です。

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 ウイスキーの風味を決めるのに重要なのは原料と蒸留後の処理です。ウイスキーは穀物原料の蒸留酒で、蒸留後に樽などで熟成されることが特徴です。ちなみに、「ラム」の原料はサトウキビ、「ブランデー」の原料は果物です。

 また、一言でウイスキーといっても、原料や配合の違いによってたくさんの種類があります。大麦麦芽100%で作られる「モルトウイスキー」、穀物を原料として糖化のために大麦麦芽を加えた「グレーンウイスキー」。「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」をブレンドした「ブレンデッドウイスキー」。ポピュラーなところでジョニーウォーカー、バランタイン、シーバスリーガル、サントリー角瓶などが「ブレンデッドウイスキー」です。さらに、ライ麦のみを原料にした「ライ・ウイスキー」、トウモロコシのみを原料にした「コーンウイスキー」などがあります。

 そして最後にウイスキー好きな皆さんがこだわる通なポイントが産地です。ウイスキーには、世界5大ウイスキーと呼ばれる5つの主な生産地があり、スコットランド(スコッチ)、アイルランド(アイリッシュ)、アメリカ(バーボン)、カナダ(カナディアン)、日本(ジャパニーズ)でそれぞれに違った特徴があります。

 スコッチは「シングルモルトの聖地」として、ハイランド、スペイサイド、ローランド、アイラ、アイランド、キャンベルタウンと6つの地域に100を超える蒸留所があり、ピートと呼ばれる泥炭による独特の香りが特徴です。アイリッシュは麦芽を乾燥させないため、スコッチよりも軽く飲みやすいとされ、バーボンはアメリカ合衆国で作られるトウモロコシを原料にしたウイスキー、カナディアンはライ麦が原料の軽い口当たりが特徴、ジャパニーズはスコッチに似た味わいがあり日本独自の技術で作られています。

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 いかがですか?ウイスキーを召し上がるときに、ストレートや水割り、ハイボールと飲み方を指定するだけではなく、産地や銘柄からバーテンダーさんとコミュニケ―ションをとったり、ちょっと「通」な飲み比べを楽しみながら味わいの違いを楽しんでみませんか?

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