2023年4月28日 これであなたもアスパラガス通!~アスパラガスのオスとメス?~

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 風薫る季節、新緑が目に鮮やかですね。季節は春から一気に初夏に移ってきました。夏の始まりを意味する言葉と言えば、二十四節気のひとつ「立夏」。立夏の頃には、季節の移り変わりに合わせ体調を整える食べ物が旬を迎えますが、ほのかな苦味のある食材やビタミン豊富な野菜、酸味のある果物などがおすすめです。

 中でも高い空に向かって真っすぐに伸びるアスパラガスは、まさに初夏を代表する野菜ですね。そこで今回は初夏の旬味アスパラガスについてお話していきましょう。

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<アスパラガスの歴史>

 今や調理の簡単さや癖のない味で、世界中の老若男女に親しまれている野菜ですが、日本に伝来したのは江戸時代、広く普及したのは明治時代以降とされています。原産地である地中海地域では何と古代エジプトやローマなどで食用や薬用として利用されていたそうです。中世ヨーロッパでは貴族所有の畑や修道院で、現在では欧州各地で栽培され、日本でも北海道を中心に各地で生産されています。

<アスパラガスの栄養素>

 おいしさのピークである旬は3月の九州から始まり、5月の北海道まで徐々に北上します。緑色のものが一般的ですが、白色や紫色のものもあり、風味や食感に違いがあります。栄養面では、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群などのビタミン類や、うま味成分でもあるアスパラギン酸は疲労回復や新陳代謝を促すなど、様々な栄養素が豊富に含まれます。さらに食物繊維も多く含まれていますから、便秘予防や血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。

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▲金目鯛のソテーとアスパラガス

<アスパラガスの選び方>

 選び方のコツはずばり鮮度!穂先が締まっていてしっとりしている、茎が太くてまっすぐ、ずっしりと重い、切り口が乾いていないなどが新鮮な証です。茎の部分に立て筋があるものは鮮度が落ちて水分が抜けているので、皮むき器などで剥いてから調理し、なるべく早く食してしまいましょう。

 また、アスパラガスを選ぶ際、意外と知られていないのが、オスとメスの性別があるという事です。オスは茎が太くてまっすぐで、穂先が筆状で尖っています。一方、メスは茎が細くて曲がりやすく、穂先が丸みを帯びています。オスはシャキシャキとした歯ごたえが特徴なのでサラダや炒め物に、メスは柔らかく甘みがあるのでスープやお浸し、混ぜご飯などにおすすめです。

 ただし、一般的に出回っているアスパラガスのほとんどはオスなので、甘くてコクのあるメスに出会えたらラッキーかもしれません。お店で穂先が丸いメスを探して11本丁寧に目利きできたら、あなたも"アスパラガス通"と言えますね!

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サクラマスのミキュイ(半生)とアスパラ

<アスパラガスの調理のコツ>

  さて、アスパラガスは、シンプルに塩焼きやバター炒め、パスタにするのが定番ですが、中華や和食にも合います。火を通しすぎると栄養素が失われたり、食感が悪くなったりしますので火の通し過ぎには要注意です。欧州ではピーラーなどで薄くスライスして生食するサラダも人気です。

 炒めるときは、油を少なめにして強火で短時間炒めると表面がカリッと中はジューシーに仕上がります。茹でると風味が流出してしまうので、大さじ1程度の水を加えて蓋をし、30秒~1分程度火を通せば、風味を残したまま色鮮やかにおいしく仕上がります。

 炭火などで表面を焼けば甘さが引き立ちますし、グリルやオーブンで焼くのであれば、オリーブオイルをまぶし、塩コショウなどで下味をつけてから焼きましょう。焼き時間は1015分程度、表面がこんがりとしたら完成です。チーズを振ったり、卵黄ベースのソースをかければ鮮やかな一皿に。ベーコンや豚バラ肉などを巻いて焼けば、うま味成分のイノシン酸との相乗効果でグッと風味が増します。塩や醤油などの調味料は最後に加えると、アスパラガスの美しい色を損ないません。

 いかがですか?色、風味、食べやすさと3拍子揃ったアスパラガスで初夏の食卓を彩ってみませんか?

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