2023年8月10日 "酢"は最強の助っ人!!意外と知らない酸(酢)の驚くべき調理効果

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 酷暑お見舞い申し上げます。暑すぎて体調を壊していませんか?

 体調維持のためにもしっかりとタンパク質やビタミン、ミネラルを補給したいところですが、ついついソーメンや冷や奴など、冷たくてのど越しの良いメニューに手が伸びがちです。でも、ここは一工夫、酢やレモン汁などでサッパリ風味にアレンジ!ボリュームのあるメニューをしっかり食べて健康を維持したいですね。そんなサッパリ風味に酸味は必須ですが、実は酸味の実力は皆さんの想像以上に多彩です。そこで今回は、知らないと損する「酸味の調理効果」をご紹介しましょう!

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▲お酢の効果で色鮮やかなサラダに

 その前に、先ずは夏場に大事な酸の健康効果についておさらいしておきましょう。第一には消化液の分泌促進(食欲増進、便秘改善)です!梅干しを見ただけでも唾液が出るように、酸味には唾液の分泌を促す効果があり、腸の蠕動が促進され、便通を正常化します。また、お酢の種類によっては腸内のビフィズス菌・乳酸菌を増やす腸活効果もあります。そして、何と言っても疲労回復効果ですね!疲労回復については、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれ、酢にも含まれるクエン酸が効果的であるとされていて、疲労物質である乳酸を分解することで、筋肉や脳の疲れを取り除くことができます。

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▲中華あんには欠かせない「酢」

 さて、健康維持に関しての主役がクエン酸なのに対して、調理効果の主役は、カルボン酸の一種であるお酢の主成分『酢酸(さくさん)』です。お酢にはその他に、クエン酸・アミノ酸・乳酸ほか数10種類の有機酸が含まれます。お酢の効果には次のようなものがあります。

 ①肉や魚をやわらかくする

 酢酸は、肉の保水性を高め、肉をやわらかくする効果があります。加熱前に、酸性の酢やビネガーを加えたマリネ液やピクルス液などに浸けると、肉がやわらかくなります。

②タンパク質を変性させ、身崩れを防ぐ

 お魚の主なタンパク質であるミオシンは、お酢(レモン汁)により変性が起こり白く凝固します。白身のカルパッチョや青魚の酢〆などがその効果を利用した料理ですが、酢で〆る前に塩を振ったか、振らなかったかで身の状態が変わります。塩をして酢〆をすると、塩分が凝集し魚の身がしまり歯ごたえが良くなりますが、塩なしの状態で酢〆(pH4以下の状態)をするとミオシンが溶けて身が柔らかく崩れるので注意です。

③魚の臭みを消す

 魚の生臭さの原因であるトリメチルアミンはアルカリ性なので、酢水で洗えば中和して匂いを消す事ができます。

④食材の色を鮮やかにする

 アントシアニン系の色素をもつ食材(紫キャベツ、赤玉ねぎ、ビーツ、ミョウガなど)の色を鮮やかな赤紫色に変え、元から赤色のものは色を安定させます。ポリフェノール系の色素を持つレンコン・ゴボウなどはアク抜きを助け、褐変を防いで素材の色を白くします。フラボノイド系色素は酸性になると無色を保つので、カリフラワーなどは白さが保たれます。

⑤防腐作用

 お酢の高い殺菌作用は科学的にも実証されており、夏場はお酢を入れてご飯を炊いたり、洗剤を使いたくない調理器具を酢水で磨くこともあります。食中毒予防にも有効です。ピクルスや南蛮漬けが腐りにくいのもお酢の効果です。

 いかがですか?お酢の万能ぶり!是非、キッチンでお試しください。

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▲海老チリの仕上げにもお酢を


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