2023年6月30日 ひんやりアイスの基本のき~今年のトレンドは?~

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 暑くて蒸し蒸し、辛い季節ですね。そんな中、手放せないのはひんやり冷たいアイスクリームです。このところ、ビジュアルの迫力でかき氷に押され気味ではありますが、老若男女に幅広く人気があるアイスクリームは、ここ数年市場規模5,000億円以上で安定している根強い夏の定番です。一般的なアイスをグレードアップしたパフェなども含めると、アイス嫌いな人を見つけるのは至難の業かもしれません。そこで今回は身近過ぎて意外と知らない、アイスクリームの基本からおさらいしてみましょう。

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■アイスクリームの歴史■

 先ずは歴史から。そもそもの始まりは定かではありませんが、シャーベットのように、乳製品を天然の氷や雪で冷やして食べる習慣は紀元前、殷時代の中国大陸や古代エジプトからあったようです。しかし、冷凍技術のない時代に氷を解けないように保存したり、乳製品を冷やし固める加工は難しく、ほんの一握りの王侯貴族達の贅沢品であったことは間違いありません。

 一説には、アイスクリームはシルクロードを通り、中国からイタリアに伝わったとされていて、それを持ち帰ったのがマルコ・ポーロ(12541324)であったとも言われています。当時、イタリアの大富豪だったメディチ家からフランスのアンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスが、カトラリーやテーブルマナーと共に料理人や菓子職人を引き連れて嫁入りしたことは有名ですが、それを機にアイスクリームもヨーロッパの王侯貴族に広まったとされています。

 その後、氷に硝石を加えることで-20℃程度まで温度が下がることが発見され、雪や氷を使用しなくても食品を人工的に凍結させることが可能となったようです。

 また、日本のアイスクリーム史は、明治の文明開化で始まり、大正時代に工業化が進み現代の大手アイスクリームメーカーがこぞって製造を開始しますが、一般庶民に普及したのは戦後のことです。

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■アイスクリームの分類■

 次に、いわゆるアイスクリームには、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4種類があり、それぞれ乳成分の割合で分けられていることはご存じですか?

 製品表示を見てみてください。アイスクリームは一番濃厚で乳固形分15%以上うち乳脂肪分8%以上のもの、アイスミルクは、それよりもサッパリとした風味で乳固形分10%以上うち乳脂肪分3%以上のものを指します。ラクトアイスは、乳固形分3%以上で乳固形分はアイスミルクよりさらに少なく、あっさりとした風味になります。ちなみに氷菓は、乳固形分3%未満のものを指します。なめらかさや風味の違いは主に乳脂肪分によるものですので、表示を見て選びたいですね。

バニラ入りイチゴソルベmini.jpg

■アイスクリームのトレンド■

 最後に、気になる今年のアイスクリームのトレンドですが、トレンドを読み解くカギは"アイス業界はスイーツトレンドの最後の受け皿である"ということです。

 それは、アイスクリームという商材は-18℃以下の環境で正しく保管されていれば、品質の大きな劣化がみられないため賞味期限の表示が免除されており、半永久的に商品をストックすることができます。そのため、話題になった冷蔵スイーツ(プリンやケーキ、チーズスイーツなど)や飲料(乳飲料や清涼飲料)、焼き菓子など、トレンドだった商品が6か月後、1年後にアイスの新商品として登場する傾向にあるのです。 

 2022年のスイーツ業界の3つのキーワードは「プリン」「焼き芋」「カヌレ」でしたが、それぞれがアイスになって登場しました。お気づきでしたか?それをもとに考えれば2023年の注目ーは「ケーキ」「抹茶」「メロン」などで、2022年がイチゴのショートケーキが日本で発売されて100年ということで、ショートケーキのような生クリームとスポンジケーキを副素材にしたアイスケーキのような商品がブームになる!?かもしれませんね。さらに、昨年から「健康」「エコ」「体験」という別のキーワードも浮上しており、低糖質やカロリーオフ、ソフトクリームに「食べるスプーン」を付属させたもの、ベースのアイスに様々なトッピングがセットされたもの、アイスクリームメーカーに手作りキットがセットされたお家需要対応商品なども登場しています。

 いかがですか?すでに様々なアイスが店頭に並んでいますが、これからは食品表示を確認したり、商品開発のストーリーもいっしょに味わってみませんか?

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