2024年11月8日 秋の味覚「松茸」に挑戦!~松茸レシピのアラカルト~

 日によって、または昼と夜の寒暖差が大きいため、体調を崩している方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな中、秋の味覚の王様である「松茸」を店頭でも見かけるようになりました。外国産の松茸は、国産のものに比べるとやや安価で、家庭でも松茸料理に挑戦してみようかなという気持ちになります。そこで今回は、松茸を家庭料理に取り入れるコツとアイデアをご紹介します。

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◆松茸の収穫◆

 松茸は、一般的に地温1519℃付近でマツタケ菌糸の原基()が地中で形成され、発育を始めます。シトシトとした秋雨が降り続き、地面に一定量の湿り気がキープされると豊作になりやすいとされています。季節の変わり目に一旦下がった地温が暑さのぶり返しなどで再上昇すると原基が死滅することもあるそう。松茸は、しいたけやしめじなどと違って人工栽培が難しく、また、その収穫は、地温や降水量などに大きく左右されることや、松茸が育ちやすい環境が減っていることなどから、収穫量が少ないため、貴重なものとなっています。

◆香りの松茸◆

 「香り松茸、味しめじ」と言われるように、松茸は香りを楽しむ茸の代表です。香りの成分は揮発性なので作り置きや保存には不向きで、焼きたてを割いて香りを立たせる、ホイル焼きをテーブルに運んで目の前でホイルを破るなど、閉じ込めた香りを一気に拡散させる演出が効果的です。土瓶蒸しは、土瓶の中で蒸し煮された松茸から味とともに香りの成分が出汁に流出し、お猪口に注いだ瞬間、立ち上る湯気に含まれた香り成分が鼻をくすぐる仕掛けです。

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▲松茸の鍋料理

 ◆松茸レシピアラカルト◆

 松茸といえば高級食材の代表的存在ですから、一般的には少量でいかに効率よく香りを楽しむか工夫がなされてきました。しかし、国産に比べると香りは劣るものの、食感や噛んだときに口中に広がる香りは十分に楽しめるということで、価格の安さから外国産の松茸を使って、季節感を演出するお手頃価格帯のメニューも見かけるようになりました。

 例えば、握り鮨のネタとして軽くあぶったスライス松茸に一刷毛の「つめ(甘辛いたれ)」を塗ったものや、ソテーした松茸がチャーシューの隣に座った松茸ラーメン、エノキの代わりに松茸を使った鍋物や松茸入りのすき焼きなどを見かけます。

洋食ならフランスのセップ茸やイタリアのポルチーニ茸の代わりに松茸が使われたり、ハンバーグのトッピングがソテーした松茸だったり、細かく裂いた松茸が一面に散らされたパエリアなど、ずいぶんカジュアルなメニューにも使われるようになり、楽しみが増しています。

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▲松茸のパエリア

 ◆松茸料理に挑戦してみよう!◆

 松茸の扱い方には、いくつかのコツがありますので、ご紹介しておきましょう。

 まず、ザブザブ洗うのはNGです。ただし、傘が開いている場合はひだに小虫が潜んでいることもあるので、ザブンと素早く水洗いするか、小さめの歯ブラシなどで丁寧に掃除し、固く絞った布巾などで汚れを丁寧にふき取りましょう。

 食感はエリンギに似ているともいわれますが、エリンギよりも水分は少なく、さっくりしていますので、天ぷらなどの揚げ物にも向いています。小ぶりの松茸を1本丸ごと揚げる場合は、噛んだ瞬間に熱い汁で火傷しますので、食べるときにはご用心!割いた松茸をかき揚げにするのもいいですね。

 また、すべてのメニューで加熱は控えめに!先に書いたとおり、香りの成分は揮発性なので、加熱すればするほどキッチンで香りMAXになり、食べるころには「あれ?」となりかねません。できるだけテーブルサービスがおすすめです。細かく割いたり、薄くスライスした場合は余熱で十分なので、火を止めてから乗せたり混ぜたり、仕上げのトッピング感覚で使ってみましょう。

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