2024年10月31日 鶏肉アラカルト~おいしく作る見極め~

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 初雪の便りが聞こえる季節になってきましたが、今年の冬は何かと値上げで気温だけではなく、お財布にも北風が吹いている感じですね。ご家庭、飲食店を問わず食材選びに価格が気になる今日この頃です。そこで今回は、卵やもやし同様、比較的安価でお財布にやさしく、かつ栄養価も高い鶏肉にまつわるあれこれをお伝えしましょう。

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 一言に鶏肉と言っても売り場に行くと色々な種類があってどれを選んだら良いのか迷いますね。まずは、部位の特徴から。ムネは、モモよりもうま味成分が多いため、深い味わいが特徴です。脂肪が少なく、加熱のし過ぎでパサつくため、蒸したり焼いたり、8090℃の低めの温度で中心部まで火をとおすことが重要です。対してモモはなめらかな食感を作るコラーゲンと脂肪が多いため、しっかりとした歯ごたえと、もっちり食感が特徴で、焼いたり揚げたりとボリュームのあるメニューに向いています。

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 次に、鶏の種類による違いを知っておきましょう。家畜として飼育されている鶏は、肉用種、卵用種、卵肉兼用種に分けられますが、日本の肉用種はさらに、ブロイラー、銘柄鶏、地鶏に分けられます。ブロイラーは、主に肉用の鶏の品種で、成長が早く、短期間で大きくなるため安価であり、肉がやわらかいのが特徴です。銘柄鶏とは、飼料や環境などに工夫を加えたもので、一般的にブロイラーよりも品質がよいとされています。塩味や薬味程度で鶏肉の風味を生かすメニューがおススメです。地鶏とは、日本農林規格(JAS規格)に定められた飼育方法の基準を満たしたもので、その地域の気候や土地の特性に適応した鶏であり、地元の特産品として知られています。一般的に肉質に歯ごたえがあり風味が豊かなのが特徴なので、鶏の風味をそのまま生かし、特徴ある深い味わいを楽しむメニューがおススメです。

 日本では、飼育環境による分類が主ですが、海外では名称で品質が判断できるようになっています。例えばフランスでは、メス雛鶏はプーサンPoussin、オス雛鶏はコクレCoquelet。生後7~12週齢くらいに飼育した鶏で1~2㎏のものはプーレPoulet。餌を工夫して太らせた脂肪の多い雌鶏=肥育鶏はプーラルドPoularde。去勢後に飼育し脂肪を多くした雄鶏で、3㎏以上の大型去勢鶏のシャポンChaponは、肉質のうまさで最高級。月齢が長く、卵を産んだ後のいわゆる廃鶏はプールPoule、雄の成鶏はコックCoqと呼ばれます。月齢が若い方は柔らかく、年老いた鶏は肉質が硬くなりますが、味わいが濃いので、コック・オ・ヴァン(ワイン煮込み)などのメニューでおいしく食べます。

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 とは言え、やはり鶏は唐揚げが一番!という方多いですよね?そこで、唐揚げをおいしく作るコツを少しご紹介しておきましょう。まずは下処理。鶏肉は表面のぬるぬるをサッと洗い流すかふき取り、余分な脂肪を取り除きます(皮は残す)。一口大に切ったら下味をつけますが、ジューシーがご希望なら、酒、みりん(あれば昆布水も)などを先に入れ、鶏肉によくもみこみます。鶏肉が充分に水分を吸ったら、にんにく、生姜、塩、醤油などお好みの風味を付け、最低でも30分から1時間は漬け込みます。次に衣はお好みですが、小麦粉と片栗粉(または米粉)を混ぜる場合は半々くらいが一般的です。小麦粉と片栗粉を混ぜない方法では、まずは皮を広げながら小麦粉をたっぷりめにまぶし、次にカリッとさせるための片栗粉をまぶして揚げると、よりジューシーにカリッと仕上がります。大きめなら一度目は低温(約160℃)、二度目は高温(約180℃)で揚げる二度揚げがおススメです。一般的にスーパーで売っている程度の大きさなら、表面が固まったら、揚げ油から出したり入れたりを数回繰り返し、空気に触れさせながらじっくりと揚げ、バットなどで数分休ませて余熱で中まで火をとおす方法で十分です。

 いかがですか?焼いても炒めても、煮ても鍋でも、オールマイティーに活躍する鶏肉、お好みの部位や種類を選んでお楽しみ下さい!

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