2024年8月9日 スパイスで乗り切る夏~スパイスは調味料?刺激物?~

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 「暑い!」「猛暑」「酷暑」などが長くトレンドワードの上位にいて、簡単には消えそうにない状況ですが、皆さん夏バテしてませんか?冷たいドリンクや冷やし○○など、ついつい体を冷やすメニューに走りがちですが、気をつけないと胃液が薄まったり、内臓が冷えて血行が悪くなるなど、もろもろ体調に影響します。そろそろ、夏バテ解消、元気回復モードに切り替えませんか?

 そこで今回は、胃を温めて疲れを取り、刺激的な香りで食欲をそそる、知れば知るほど奥深いスパイスの世界にお誘いしましょう。

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▲羊肉の串焼き。羊肉にとスパイスは相性抜群!

 スパイスとは、植物の種子、果実、花蕾、柱頭、葉茎、木皮、根塊などを乾燥させたもので、特有の香りや味があります。飲食物に風味をつけたり、着色したりする調味料の一種ですが、実は体調を整えるという見逃せない効果もあるのです。胃腸の働きを高めて食欲を増進したり、新陳代謝を促進したり、さらには、活性酸素を取り除いて、生体機能の低下を防いだり、老化や病気を予防する効果もあります。

 この時期に重要な発汗や体温調整に影響を与えるスパイスには、シナモン、カルダモン、加熱したジンジャー、ブラックペッパーなど。美容に良いとされるスパイスには、ターメリックやシナモン、代謝を促進するレッドペッパーなど。他にも、食欲増進に役立つコリアンダー、整腸や解毒作用、冷えを改善するクミンなどがあります。

 よく使われる代表的なスパイスを表にまとめてみましたので参考にしてください。

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 次に、実際にスパイスを料理に使う場合のコツですが、スパイスの香り成分は揮発性の精油(エッセンシャルオイル)です。精油は字のごとく油ですから、水に溶けにくく油に溶けやすいため、ホールスパイスで使う場合は低温のオイルでじっくりと炒めて精油の香りを油に移して使います。スパイス系のカレーを作る際に、まずはホールのクミンなどを弱火でゆっくり炒めてクミンオイルにし、そこに玉ねぎを加えて炒め、甘味が出たところにトマトを加えて水分を飛ばした後に、ショウガやニンニクなどのすりおろしやパウダースパイスと塩を加えてカレーベースを作るのが基本の工程です!仕上げに使うことが多い、砕いたり、すり下ろしたパウダースパイスでも、乾煎りすると、精油が空気にふれて香りが引き立ちます。

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▲鯖のソテーに、スパイスをきかせたトマトソースを添えて

 ちなみに、辛味には、熱く感じるタイプ(表中の★マーク)の辛さと、シャープな辛さがあり、熱く感じる★タイプの辛さは、舌が刺激された痛点なので、加熱で失われることが無いため、調理の前半から使って香りを引き出します。一方、シャープな辛さタイプは、鼻で感じる刺激なので、加熱すると風味が失われるため、加熱せずに調理の最後に加えます。マスタードなどをナッツ系のコクを出す用途で使用する場合は、調理前半~中盤で加えることもあります。

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▲風味が複雑に絡み合ったスパイスカレー 

 最近は、単独のスパイスではなく、メーカーが用途によって混ぜ合わせたミックススパイスも販売しています。まずはいつもの炒め物や揚げ物にそのまま振りかけてみる、肉や魚にまぶして焼いてみる、浸け込んで炒める、などから始めて、いつもと違う味と香りを楽しんでみませんか?

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