2023年11月10日 和食だけじゃない無限のおいしさ「大根」

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 ようやく秋らしくなったと思ったら、もう11月。秋の味覚から冬の味覚に移り変わる時期です。秋が短くなった昨今、貴重となった秋の味覚。さつまいもやきのこ類、栗や柿、ぶどう、サンマやカツオなどは、しっかり食べましたか?

 さて、これから旬を迎える食材といえば、白菜などの葉野菜や大根、りんごやみかん、ブリやカキ、カニなどです。今回は、おでんに煮物に大活躍の大根。和食だけじゃない活用方法をご紹介します。

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▲山で見つけた"いがぐり"。見えますか?

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■大根

 春の七草のひとつ「すずしろ」である大根。一般的に出回っている「青首大根」は、生でも加熱してもおいしく、年中出荷されていますが、旬は10月~2月ごろです。

 大根は部位により味、水分、食感が異なるため、1本まるごと楽しめます。また、葉の部分にも栄養価が含まれているため、余すことなく食べられる野菜です。

 最近は「青首大根」だけでなく、京野菜として人気の「聖護院大根」や、三浦大根をサラダ向きに品種改良した「レディサラダ」、皮は白く、果肉が赤紫色の「紅芯大根」など、さまざまな品種があります。

 大根の上部は甘味があるため、サラダや大根おろし、漬物に。中部は、ほどよい硬さもあるので煮物に。先端はやや硬く辛味があるので、みそ汁や炒め物に向いています。辛い大根おろしが好きな方は先端を使うなど、部位の特徴を知っていれば、好みで使い分けることもできますね。

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▲さまざまな品種の大根(「野菜スペシャリスト講座」テキストより)

■大根の栄養素

 大根の大きな特徴は、消化酵素であるアミラーゼが含まれていることです。アミラーゼは、でんぷんの分解を助け、胃もたれや胸やけを改善・予防する効果があります。また、辛味成分であるイソチオシアネートは、消化液の分泌を促し、食欲を増進させる効果があります。これらの消化酵素は熱に弱いので、効果を得たい場合は、大根おろしやサラダなどにして食べるのがおすすめです。

 さらに、大根の葉には、カルシウムやβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは油脂と一緒に摂取すると吸収率が上がるため、炒め物にすると効率よく栄養素が摂取できます。

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▲カレーライス 旬の焼き野菜添え

■大根の栄養素

 これから、おでんやぶり大根、ふろふき大根など、ほくほくと温かい大根がうれしい季節がやってきます。どちらかというと、和食で活躍する大根ですが、クセがなく、みずみずしい食感であることから、洋風や中華料理にもなじみやすい野菜です。

 中華料理だと、点心の大根もちが有名ですが、和え物や炒め物など、大根を使った料理はたくさんあります。バターやオリーブオイルとの相性もよいため、サラダやスープの他、ポトフなど洋風煮込みの野菜としても活用できます。

 ただし、大根の酵素は熱に弱いので、煮込むと消化酵素の効果はなくなります。そこで、大根を厚さ1cm 以下に切り、フライパンで焼く「焼き大根」はいかがでしょう。油脂は、オリーブオイルでもバターでも構いません。表面にこんがり焼き色がつく程度、中心部はほんのり温かくなる程度で取り出すのがポイント。ソテーした肉、カレーなどに添えると、食後の胃もたれや胸やけを防ぐ効果が発揮できます。使用する油脂の種類で、洋風にも中華風にもなるので、どんな料理にも活用できます。

 旬の食材は、おいしいだけでなく、たくさん収穫される時期であることから、価格が安くなるという利点もあります。旬の大根を色々な料理に活用してくださいね。

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