2023年9月20日 夏の疲れに豚肉!~エネルギー産生の強い味方~

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 今年の夏の暑さは異常でしたね。気を付けていたのに溜まった疲れが抜けない...、なんて方も多いのではありませんか?そこで今回は、疲れの正体からその克服法を、具体的な「食」を通してご紹介しましょう。

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▲豚肉とパクチーのオイスターソース炒め 

 「疲れ」は、労働や運動、ストレス、免疫力の低下など様々な要因が複合的に絡みあった結果です。反対に「元気」とは、「動くエネルギー」のことで、元気が出ないのはエネルギーの不足ですから、疲れを取るには'エネルギー産生力を回復させれば良い、わけです。

 疲れの正体は、ズバリ「活性酸素」です。私たちは日々、活動エネルギーを作るために血液によって栄養素と酸素を細胞に運び、その栄養素を酸素で燃やしますが、酸素が燃える時に生じるのが活性酸素です。通常は抗酸化力が働いて、過剰な活性酸素を除去できるのですが、活動量が増えたり、ストレスや環境から心身に負担がかかると、細胞は多くの酸素を使って必要なエネルギーをつくろうと頑張ります。その結果、活性酸素も大量に発生し、体内の抗酸化力が追いつかず、細胞自体がさびつき、栄養素や酸素をうまく運べなくなります。結果として細胞内で栄養素をスムーズに燃やすことができなくなり、エネルギー産生が落ちます。これが疲れです。

  疲労の回復には、様々な食品から抗酸化成分(ビタミンACE、セサミンなどのフィトケミカル)を補う工夫が大切です。さらに、エネルギー産生を高める栄養素ビタミンB1を多く含む食材もおすすめです。

 ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのを助ける栄養素で、加熱しても壊れにくく、体内で吸収されやすいので倦怠感や夏バテなどの疲労回復効果が期待できます。

 そこで、これからの秋に向かい、おいしいスープが取れ、いろいろなメニューにもアレンジが自在な茹で豚メニューをご紹介しましょう。豚肉は、ビタミンB1を多く含む代表的な食材のひとつです。

 材料はバラや肩ロースなどのブロック肉で、500g1㎏以上を用意して作り置きがおススメです。300g程度に切分けて紐かけし(形が気にならなければ不要)鍋に入れたら、たっぷりの水を加えていったん沸騰させ、浮いてきたアクを取ります。次にお好みで白ワイン+ローリエ(ブーケガルニ)、または日本酒+少量の昆布、またはネギの葉部分+生姜などを浮かべ、さらにアクを取りながら6090分程度沸騰させないように蓋をして極弱火でコトコト加熱します。何に使うか決めていない場合は、香りがつかない日本酒+昆布がおススメです。

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▲ネギ、生姜を加えた茹で豚

 1品目は、60分茹でた豚肉と大根の煮込みです。茹で豚1本と皮をむいて食べやすく切った大根を、煮汁+砂糖+醤油で大根がやわらかくなるまで煮たら、仕上げに水溶き片栗粉少々でとろみをつけ、ごま油で艶出ししたら完成です。

 2品目は、サプライスポークソテーです。90分茹でた豚肉を厚めにカットし、フライパンでこんがりと焼き色がつくまで焼きます。塩コショウだけでも十分ですが、野菜を煮てペーストにしたソースなどを添えるとグッとおしゃれ感が増します。見た目は分厚い肉なのに箸で切れる!「サプライズポーク」というわけです。

 最後は、茹で豚の意外と知られていない利用法です。脂っこそうに見える回鍋肉などのお肉には、茹でて余分な脂を抜いた肉を使います。これが、こってりとした料理を意外にもさっぱり仕上げるコツです。

 茹で豚の紐を外して冷蔵庫に入れ、冷やし固めてからスライスし、大振りに切った野菜と、お好みの合わせ調味料を用意して、ニンニクや生姜などとさっと炒め合わせれば出来上がりです。さらに大きめの角切肉の酢豚などもこの手法で作ります。

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▲サプライスポークソテー~かぼちゃペースト添え~

 茹で豚の煮汁は塩コショウだけで十分においしいスープになるので、和風ならワカメとねぎ、中華ならエノキと溶き卵、洋風ならトマトジュースとコショウを加えてお楽しみください。作り置きの茹で豚があればお店のような本格的メニューを手軽に味わえます!是非お試しください。

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