2023年5月10日 旬のあさり活用術

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 すっかり新緑の季節になりましたね。おでかけの予定を立てている方も多いのではないでしょうか。

 さて、初夏に旬を迎える貝類と言えば「あさり」です。産卵直前のあさりは、身がふっくらと肉厚になり、グリコーゲンやコハク酸が増加することで、うま味がぐっと増します。まさに食べごろです!

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■あさりの栄養素と成分

 あさりなどの貝類は、他の動物性食品に比べて低脂肪・高たんぱく質。ビタミンB12や亜鉛のほか、タウリンが含まれ、健康や美容に効果が期待できるヘルシー食材です。

 あさりは、貝類に多く含まれるうま味成分コハク酸に加えて、グルタミン酸も多く含んでいるため、その出汁はうまみ成分の相乗効果で奥深い味わいです。

 韓国料理の「チゲ」には牛肉やイカなどと同時にあさりが入っていますが、チゲのあさりは身を食べるというよりも出汁の役割があります。イタリア料理の「アクアパッツア」のあさりも同様です。ポルトガル料理の「アサリと豚バラの蒸し煮」などは、主役と出汁の両方の役割を最高に引き出した優れたメニューといえます。

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 ■バリエーション豊富なあさり料理

 あさり料理と言えば、「酒蒸し」や「お吸い物」など、シンプルにあさりのおいしさを味わう料理が思いつきますが、日本酒を白ワインに変えれば洋風に、紹興酒に変えれば中華風にアレンジできます。

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「ポルトガル風アサリと豚バラの蒸し煮」

 フライパンにあさりを平らに敷き詰め、覆いかぶせるように豚バラ(切り落とし可)を広げて並べたら、多めの白ワインをかけて蓋をし、強火にかけます。あさりが開き始めたら、食べやすく切ったアスパラやイタリアンパセリ、トマトなど(野菜はお好みのものをどうぞ)を加えてもう一度蓋をし、8割程度のあさりが開いたら蓋をとってフライパンを揺すりながら全体を混ぜ、オリーブオイルを回しかけて(バターを一切れ投入しても良い)お好みでコショウをふります。あさりから塩分が出るので、味を見て必要なら塩少々を振れば出来上がりです。残ったスープには栄養素とうま味がぎっしり流出していますから、パンに吸わせたり、ごはんを加えて雑炊風にしたりと、おいしさを残さず食べきりましょう。

 「ボンゴレ・ビアンコ」

 フライパンに多めのオリーブオイルを入れ、刻んだにんにくと鷹の爪を沈めて弱火で加熱します。香りが立ったらあさりと白ワインを加えて蓋をします。同時に隣の鍋で湯を沸かし水量の1%程度の塩と、パスタを加えて茹でます。パスタの茹で上がり12分前にちぎった新キャベツやアスパラなどを加えて同時に茹で、茹で上がったパスタと野菜を、にんにくと鷹の爪を加熱しているフライパンに加えます。パスタのゆで汁を少々加えながら全体を手早くかき混ぜ、器に盛ってちぎったバジルなどを散らせば、あさりのパスタ、ボンゴレ・ビアンコの出来上がりです。

 「ボンゴレ・ロッソ」

 ビアンコは「白」、ロッソは「赤」という意味で、「ボンゴレ・ロッソ」は、あさり入りのトマトソースパスタを指します。みじん切りのにんにくと玉ねぎを炒め、粗みじん切りにしたトマト(缶詰可)を加え、少し煮詰めてトマトソースを作ります。そこにあさりを投入して蓋をし、あさりが開いたら、茹でておいたパスタと、お好みでオリーブオイルを加えて仕上げます。

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 おいしさも栄養価もアップし、価格が安くなる旬の食材「あさり」。この時期にぜひ色々な料理に活用していてくださいね。

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