2024年9月20日 もっと海藻を活用しよう!~海の野菜のびっくり多機能~

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 やっとひんやりとした風に秋の気配を感じる季節になってきました。食の秋の到来!!ですね。芋栗南京をはじめとする根菜類やバター、生クリームがたっぷり、とろけるチーズも食欲をそそり、カロリー爆弾のようなレシピがいっぱい!旬のバイキングや食べ放題も気になるし、うっかり体重が...。そんなときの強い味方が、ミネラルの宝庫ともいえる海藻類です。そこで今回は、カロリーが低く、栄養価の高い海藻について深堀りしてみましょう!

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 そもそも、「カイソウ」には、「海藻」と「海草」があることをご存じでしょうか?海藻は海に生息している「藻類」のことで、英名は「Sea(海)weed(雑草)」もしくは「Sea Vegetable(海の野菜)」。海藻に分類されるものは「肉眼で見えるある程度の大きさがあるもの」に限られ、日本でお馴染のワカメ、昆布、モズク、のり、ひじきなどの他、心太(ところてん)や寒天の材料になるテングサなど、種類は大変豊富です。一方、海草の方は海の草で、海に生息している「多年草の種子植物」を指し、英語では「Sea(海)grass(草)」と表記します。海草の種類は意外と少なく、実は世界的に見てみても全部で60種類ほどしか存在せず、海藻は胞子で繁殖するのに対して、海草は種から生育するもので、実は似て非なる、まるで別物です。生息場所も基本的に重複しないので、同じ場所で見るということもありません。ただし、光合成をするという点は共通で、別の生物の隠れ家、産卵場所として活用される点も類似しています。

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▲お肉のソテー 焼きモズク添え

 海藻は大まかに、日光を浴びる量によって「緑藻類(りょくそうるい)」「」褐藻類(かっそうるい)」「紅藻類(こうそうるい)」の3種類に分類されます。

 日光をたくさん浴びるのが特徴の「緑藻類」は、海藻のなかでもっとも浅瀬に生息しています。太陽に近いことから、光合成をおこなう器官である葉緑体を多く含み、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換するクロロフィルをもち、多くは緑色です。佃煮などで食べられるあおのり、あおさ、かさのり、海ぶどうなどがこの種です。

 褐色の海藻「褐藻類」は、フコキサンチンという色素を含み、赤褐色のものや、ひじきのような黒色のものも存在します。代表的な褐藻類は、ワカメやモズク、昆布、ひじきなどです。

 最後は、「紅藻類」で、3種類に分けられる海藻類のなかでもっとも深い場所に生息し、名前の通り、色が赤みかがっているのが特徴です。この赤い色素により、太陽が届きにくい深い場所でも光合成ができますが、赤色の色素だけでなく、青や緑色の色素も含んでいます。あさくさのりやテングサが代表的な紅藻類です。

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▲モズクにたっぷりの薬味をのせて

 このように分類される海藻ですが、どの深さに生息していてもそれぞれが海のミネラル分を豊富に蓄えていますから、たくさんの栄養素と食物繊維が含まれています。例えば、生ワカメ可食部100gあたりの食物繊維は3.6gです。生キャベツに含まれる食物繊維は100gあたり1.8gですから、生ワカメには2倍の食物繊維が含まれていることがわかります!海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維には、血糖値の上昇を抑え、血中コレステロールを下げるなどの効果があります。また、青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)も含んでおり、高血圧や動脈硬化、脂質異常症、心筋梗塞、脳卒中、アレルギー性疾患などの予防や改善に効果が期待できます。他にもカルシウム、マグネシウム、リン、ヨウ素など特に成長期に重要なミネラルや、抗酸化作用などが期待されるフコキサンチン(カルテノイドの1種)、美容と健康に効果が高いことで知られるフコイダンなどを含んでいます。

 低カロリーで、ミネラルや食物繊維などが豊富な海藻は、サラダや酢の物、煮物だけでなくもっともっとたくさんのメニューに応用したい食材です。コツは簡単で、海産物の概念を取り去り、風味のある野菜として取り入れましょう!戻したひじきやのりは黒い野菜として、もやしやニラなどと炒めたり、ペペロンチーノ風味の炒め物もおススメです。また、生のモズクは、薬味をたっぷり乗せた冷たい麺料理としても、そうめんに混ぜるのもかなりおススメ。また、モズクはチヂミに入れても、天ぷらにしても好評です。海藻は、油脂と相性が良いので、使うオイルで香りを変えれば中華風やエスニック、欧風にも応用は自在です。是非、毎日の食卓に取り入れてこれからの寒さに向かう基礎体力を蓄えて下さい!

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