2025年5月9日 旬の食材活用術<トマト>

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 桜の時期もあっという間に過ぎ、気がつけば日差しは初夏に向かっています。季節の移ろいは早いものですね。

 近年は、栽培技術の進歩や、生鮮食品の輸入増加などにより、年間通してさまざまな食材が流通しています。そのため、食材の旬を感じにくくなりました。

 旬の食材は、おいしいだけでなく、栄養素が豊富です。また、野菜や果物は、たくさん収穫される時期でもあるため、価格が安くなるという利点もあります。季節の移り変わりを楽しみながら、旬の食材を賢く利用したいものですね。

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 この時期に旬をむかえる食材には、サワラやアサリ、たけのこ、グリーンアスパラガス、そら豆などがあります。そして、これからどんどん美味しくなる食材としてご紹介したいのが「トマト」!今回は「トマト」の活用術をご紹介します。

 色、形、大きさなどバリエーション豊かなトマト。そのまま食べたり、サラダにしたり、加熱してもおいしく食べることができます。また彩りとして、料理だけでなくお弁当にも便利な食材です。

 旬の時期のおいしいトマトを加工保存するのもオススメです。自宅で過ごす時間が長い今、旬の食材を使って保存食を作ってみませんか?

▲トマトの主な品種(「野菜スペシャリスト講座」テキストより)

■旬の食材を加工保存しよう

 まずは基本のトマトソース。フライパンに油とにんにくを入れて加熱し、油に香りがうつったら、ざく切りにしたトマトを加え、水分がなくなるまで煮詰め、塩で味を調えます。これ、私もよく作るのですが、トマトのうま味が凝縮されて絶品!ピザ生地に塗るだけで美味しいピザが完成します。簡単なのに汎用性が高く、冷凍保存もできるので便利です。

 基本のトマトソースを進化させて、手作りケチャップを作ってみましょう。トマト、玉ねぎ、りんごをざく切りにし、みじん切りにしたにんにく、お好みのスパイス(ローリエ、グローブ、シナモン、セージ、オレガノなど)、唐辛子と一緒に煮詰めます。ほどよく煮詰まったら漉し、砂糖、塩、粒こしょう、りんご酢(白ワインビネガー、米酢でも可)を加えてさらに煮詰めます。浅い煮詰めだとスパイシートマトソース、しっかり煮詰めると自家製ケチャップの完成です。煮詰める時にアクは取りすぎないように、砂糖や酢の量はトマトの味によって加減しましょう。また、煮詰めるときにソースがはねるので、くれぐれも注意してください。深めの鍋を使うと安心です。

 また、トマトと砂糖を煮詰めてトマトジャムに。思いのほかフルーティーな味わいです。砂糖の量はお好みで。トマトの重量に対して20%程度の砂糖だとコンフィチュールに。50%以上だと保存性の高いジャムになります。鮮やかな色に仕上げるための少量のレモン汁も忘れずに。

▲マリネにして保存(ミニトマトのバジルマリネ:野菜スペシャリスト講座「野菜&ヘルシーレシピ集」)

■保存食で栄養素を確保

 保存食というと、お米やパスタなどの穀類のほか、カップ麺やレトルト食品、缶詰などを想像する方が多いのではないでしょうか。これらは比較的保存期間が長く、なおかつ常温で保存することができるので、保存食には適しています。

 しかしながら、これらの食品を食べ続けていると、栄養素の偏りが心配です。特に炭水化物中心の食事では、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足します。保存食をそろえる時、ビタミン、ミネラル、食物繊維を補える保存食の確保もぜひ考えてみてください。

 例えば、野菜や果物の冷凍保存。青菜やにんじんは、かために茹でてから使いやすい量に分け、ラップで包んで冷凍します。しめじなどのきのこ類は、生のまま小房に分け、ラップに包んで冷凍保存できます。

 果物は、ラップで包んだり、冷凍用保存袋に入れて冷凍し、ジュースやスムージー、ソースなどを作るときに便利です。時間があれば、ジャムにするのもおすすめです。

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 食材の旬や保存方法に関する知識は、食生活アドバイザー、野菜スペシャリスト、食育実践プランナーでも欠かせないものです。また、調理師試験では、旬の食材に関する問題が出題されることもあります。

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