2025年4月30日 パスタの太さや形、どう使い分ける?~知って美味しいパスタのあれこれ~
初夏のさわやかな時期は、野菜が年間で一番種類豊富に出回る季節です。ビタミンカラーが食欲をそそりますね。そんな時、「旬の野菜を使って満足感のある一皿」といえば、パスタですね!そこで今回は知っているようで知らないパスタのあれこれをお伝えしましょう。
パスタの起源については諸説ありますが、古代ローマ時代が発祥で、「プルス」という、小麦やキビなどの穀物を粗挽きにして煮込んだ、お粥のようなものを板状に伸ばして焼いたものがルーツとされていて、ピッツァやラザニアの原型に近いとされています。
15世紀に入ると、私たちになじみの深い、棒状の乾燥パスタがイタリアで作られるようになり、その後、17世紀以降にイタリアでトマトの栽培が盛んになったことがきっかけで一気に消費が伸びたと言われています。現代ではパスタの種類は300種以上あり、生タイプや乾燥タイプ、長さ25㎝前後で棒状のロングパスタ、マカロニのようなショートパスタ、ラザニアのような板状やニョッキのような団子状のものまで形状もさまざまです。
とても種類が多いので、今回は皆さんに馴染みがあるタイプでソース選びなどをご紹介しましょう。
日本で一番親しまれているのは、「紐(ひも)」が語源のスパゲッティ(Spaghetti)ですね。厳密には、ヴェルミチェッリ: 2.1~2.2mm、スパゲッティ: 1.8~2.0mm、スパゲッティーニ: 1.6~1.7mmとなりますが、極太タイプにはたっぷりバターやオイルソースなどで、麺自体の歯ごたえと小麦の豊かな風味を楽しみます。細いタイプはオイル系や和風など、シンプルであっさりとした味わいのソースがよく合い、「髪の毛」が語源の、太さ約1.2mm未満の極細パスタ、カペッリーニ(Capellini)は、日本の素麺と同じくらいの細さなので、スープや冷製パスタなどに使われます。
「小さな舌」が語源のリングイーネ(Linguine)と日本のきしめんにも似ているタリオリーニ(Tagliolini)は断面が平たい形をした平打ちパスタで、ソースが絡みやすくもちもちとした食感なので、クリームソースやバジルソースなどに使われます。同じく平打ちですが、幅4〜8mm前後のタリアテッレ(Tagliatelle)はボロネーゼやカルボナーラなど濃厚な味わいのソースと相性が良く、タリアテッレより少し厚めで幅広いのが特徴のフェットチーネは、ほうれん草やニンジンなどの野菜を練り込んだものも多く、カラフルな色合いが特徴です。「食いしん坊」が語源の、平打ちでも一番幅広の(幅10〜30mm)パッパルデッレ(Pappardelle)は、日本のほうとうのような見た目で食べ応えがあり、こってりとしたクリームソースや肉々しいタイプのラグーソースと相性がいいです。
次にショートパスタですが、パスタの中でも特に種類が多く、形状によって食感が異なり、冷めても食べやすいことから、パスタ料理はもちろん、グラタン、サラダ、スープなど幅広い料理に活用できます。「ペン先」が語源で、先が尖った円筒パスタのペンネ(Penne)は、表面に細かい縞々の溝があるためソースと絡みやすく、特にトマトソースと相性抜群で、ペンネ・アラビアータは定番ですね。なじみのあるマカロニに切り込みが入ったような、らせん状にねじれた形のフジッリ(Fusilli)も、ソースが絡みやすいため、トマトソースやクリームソース、グラタン、サラダなど幅広い料理に活用できる万能パスタです。「線を引く」が語源の、直径8mm〜15mmの円筒パスタ、リガトーニ(Rigatoni)は、マカロニより太く表面に溝があり、もちもちと食べ応えのある食感が特徴で、カルボナーラやボロネーゼ、ラグーソースなど濃厚なソースと合わせたり、中にパン粉などで繋いだフィリングを詰めたりと応用も楽しいパスタです。蝶やリボンの形をしたファルファッレ(Farfalle)は、薄い部分はやわらかく中心部分はアルデンテと、一口でふたつの食感を楽しむことができ、形状を活かしてさっぱりとしたオイル系ソースを合わせます。小さく巻いた貝殻のようなコンキリエ(Conchiglie)は中にソースが入りこむため、ソースの味わいをより強調できるので、定番のトマト系やクリーム系と合わせることが多いですが、貝殻のような形状を活かして中に具材を入れることもあります。「耳たぶ」や「赤ちゃんの耳」という意味のドーム型をしたオレキエッテ(Orecchiette)は軟らかく茹でたブロッコリーやホウレン草などをつぶして合わせ、パスタと具材の一体感を楽しむような料理に仕上げることが多いようです。
いかがですか?表示通りに茹でれば大きな失敗が無いのがパスタ料理です。売り場の前でたくさんの種類に迷い、つい、いつものパスタを買ってしまっている方も、先ずは定番のトマトソースやボロネーゼ(ミートソース)で、変わった形にチャレンジしてみませんか?意外な食感に、きっと新しい食の楽しみが見つかりますよ!
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