2025年7月18日 改めて知る、白身の王様「鯛」の底力!

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 酷暑お見舞い申し上げます‼本当に暑い日が続きますね。近年の日本は亜熱帯地域になった感があり、きめ細やかな季節の移り変わりは望めない国になったのかもしれません。とは言え、食で季節を感じる心は失いたくないですね。

 そんな中、きびしい暑さに対抗するには肉!スタミナ!となりそうですが、食欲も落ちがちな今、高たんぱくで食欲を回復してくれるさっぱり風味の魚介類はいかがですか?中でも夏は貝類と青魚が旬です。でも、調理に少し手間とコツが必要なので、思いのほか敬遠されがちです。そこで注目なのが、少しばかり旬を外した白身の王様「鯛(タイ)」です。旬じゃないのになぜ今?ですよね。実は鯛はオールシーズン、オールマイティーで使い勝手抜群の魚なので、今回はその魅力について解説してみましょう。

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 まずは、その美しい姿と皮面の淡いピンク、透明感のある白い身が紅白で縁起が良く、めでたい=めで鯛という語呂合わせと共に、日本人の心をつかんで離さず、白身魚の代表となったのですが、「○○鯛」という、色も形も全く似ても似つかない魚が多いのも、いかに「鯛」という名称が全国津々浦々誰もが知る高級魚として親しまれている証だと思います。とは言え、やはり「真鯛」だけが、尾(お)と頭(かしら)が付いた丸のまま、つまり"尾頭付き"の姿焼きで祝儀に華を添えることができます。その真鯛の旬は、一般的に年2回、春と秋で、春は3月から6月頃に産卵期を迎えるため「桜鯛」と呼ばれ、秋は9月から11月頃の水温が下がる時期で「紅葉鯛」と呼ばれ、どちらも脂がのり引き締まった身が美味しい時期と言われています。つまり、真夏の鯛は産卵後で脂が抜けて痩せており、旬を外しているため大変お手頃な価格で売られています。もうお分かりですね?蒸し暑い夏に、濃厚な脂や深いうま味は必要なく、さっぱりとした白身魚で十分!くせがなく、和洋中、生でも焼いても蒸しても煮ても食べやすいオールラウンダーの鯛は、物価高の今、お手頃価格で楽しむことができる大変便利な魚なのです。

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▲鯛のスパイスカルパッチョ

 生で和風なら、刺身用のサク(骨と皮を除いた身だけの塊)を薄切りにし(ひと手間の余裕があれば昆布〆にし)、大葉、茗荷、ネギ、生姜などの千切りを巻いたり、刻んで混ぜ合わせたりして、ポン酢をかけて小鉢に盛ればさっぱりと涼しげですし、冷やしたラタトゥイユなどに合わせれば洋風になります。薄切りを平らに並べ、ワサビを加えたドレッシングをかければカルパッチョ風に、梅肉を混ぜた梅ドレッシングをかけて、千切りの大葉を散らすとより華やかなおもてなし料理に、ドレッシングにナッツやスパイスをたっぷり混ぜると違った味わいが楽しめます。

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▲鯛の昆布〆 夏野菜添え

 大振りに切って塩を振り、余分な水分を抜いた身を耐熱皿に並べ、酒を振ってフワッとラップして数分レンジアップ。蒸汁を別の容器に取り、ポン酢や辛子醤油を加えてたれとし、あればネギや大根おろしを乗せた身に、たれをかければ、さっぱりとした蒸し物が簡単に作れます。刻んだパクチーにナンプラーを少々、ごま油を加えたたれに変えると夏向きのエスニックな蒸し物になります。もちろん、皮付きの切り身に塩を振り、魚焼きグリルかオーブントースターで塩焼きにし、大根おろしとポン酢、刻んだネギを合わせるだけでも夏のおかずになりますが、ニンニクと生姜を微塵切りにし、ごま油とともにフライパンでゆっくり炒めて香りが出たら、塩を振って余分な水分を拭いておいた切り身を入れて両面を軽く焼き、仕上げに豆板醤少々を加えて絡めると中華風の一品になります。同じフライパンで食べやすく切ったピーマンやナス、パプリカ、ズッキーニなどの野菜を炒めて添えると彩りもキレイです。

 いかがですか?ちょっとした工夫で簡単に、おいしい一皿を演出できる「鯛」、もっと手軽に普段のおかずに取り入れてみませんか?

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