2026年1月20日 「高級そう」に惑わされない!~肉の正体を知る~

月日の経つのはあっという間!食卓にのぼる料理からもお正月の気配はすっかりなくなりました。大寒をむかえ、温かい煮込み、香ばしい焼き色、噛みしめるほどに滋味を感じる一皿など、肉料理が恋しい季節ですね。そこで、今月のテーマは、牛・豚・鶏など、私たちが日常的に食べている"肉"についてお話してみましょう。

肉のおいしさや価値は、以下の3つの要素でほぼ決まると言われています。
①品種 ②餌 ③生育環境です。
例えば同じ牛肉でも、品種(和牛、アンガス牛、ジャージー牛など)が違えば筋繊維の太さや脂の入り方が変わり、餌(トウモロコシ、雑穀、牧草など)が違えば脂の香りや融点が変わります。生育環境では、運動量(放牧or厩舎など)、ストレス、飼育期間などが複雑に加味され、最終的な"口どけや風味"に大きく影響します。「高価だからおいしい」「黒毛和牛だからおいしい」「国産だから安心」とは一概に言えない世界が広がっているのです。
例えば牛肉は、サシ(脂)や肉量を成績表のように数値化した"A5"などの「マーブリング(脂肪交雑)スタンダード」という指標で評価されます。ですが、「高級!」と思っているA5は、「サシが多くて、よく太っている」という意味合いで、うま味や香りなどのおいしさに関する数値ではありません。また「黒毛和牛=高級」というイメージも、実際には国産和牛の95%以上が黒毛和種ですから、黒毛=希少ではありません。本当に見るべきは、餌や育て方、飼育期間、そして料理に合う肉質かどうか、です。
一方、豚肉で見かける銘柄は、品種や餌、育て方までを含めた"ストーリー"です。つまり、格付けは品質の目安、銘柄は背景ごと味わうためのヒント、と考えると分かりやすいかもしれません。例えば、「三元豚」「四元豚」。これは掛け合わせている品種の数を表しています。三元は三品種、四元は四品種の特徴を組み合わせ、肉質・成長性・味のバランスを取っています。ただし、三元=上、四元=下、という単純な序列ではありません。どんな設計思想で交配され、どう育てられたかが重要です。
そして鶏肉は、成長が早く、やわらかさ重視の「ブロイラー」。飼育日数や餌に工夫があり、うま味と食感のバランス型である「銘柄鶏」、厳格な定義があり、歯ごたえとコクが特徴の「地鶏」の3つに大きく分けられます。料理によって、向き・不向きがはっきり分かれるのが鶏肉の面白さです。

さらに肉全体として一歩踏み込むなら、部位の使い分けは重要で、やわらかさを楽しむならロースやヒレ、旨みを引き出すなら肩やスネ。高価=正解ではなく、料理に合っているかどうか?が重要です。
そして最後に、肉類に共通の火入れのコツに少しふれておきましょう。レアでも食べられる牛肉と生焼けはNGの豚や鶏肉とでは、火入れの仕方が違いますが、一般的に、家庭で作る肉料理は、焼き過ぎ、煮過ぎの傾向にあります。加熱しすぎると、タンパク質が凝固して硬くなり、大事な肉汁が絞り出されパサパサにもなり、肉の繊維を繋いでいるコラーゲンも溶け出してしまいます。コトコトではなくグラグラと煮ると、繊維はほぐれますがボロボロに解れ、煮汁にうま味もとろみも流失したパサパサなお肉になってしまいます。
スーパーやデパートに並ぶ肉類、価格だけがおいしさの目安ではありません。イメージではなく様々な情報を総合する力を磨いて、よりリーズナブルによりおいしいお肉を選べる消費者を目指しましょう!
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