パパが入院!今月の医療費はどうなるの?
ただいまぁ~。ケーキを買ってきたわよ。FPの渋谷さんもいらしたの。
みんなでお茶にしましょう。
ママ、もう、なんで電話に出てくれないんだよ。何回も電話したんだよ。
あらぁ、気がつかなかったわ。ごめんね。
パパがケガして入院しちゃったよ。
えええぇ~!!どういうこと?
ぼくたちと公園でサッカーしていてころんじゃったの。
足が腫れてすごく痛がって、そのまま動けなくなってね、おじいちゃんが救急車を呼んだんだ。
さっきおじいちゃんから電話があって、1ヵ月ぐらい入院が必要だろうって。パパとも話したけど、ママに健康保険証と着替え、それから塩大福と芋ようかんを買ってきてほしいって。
そんなこと言えるくらいなら、大丈夫そうね。
もう、パパったら、張り切りすぎたんでしょ。あのポッコリおなかじゃ、足元が見えないのにね。
でも、1ヵ月も入院したら、どれだけ医療費がかかることか。そっちの方が心配だわ。
入院なんて大変なことになりましたね。でも、医療費についてはご安心ください。
ご主人が加入している健康保険から「高額療養費」を受けられます。今回のように入院や手術等で1ヵ月の医療費が高額となるときは、自己負担限度額を超える部分について、健康保険から給付を受けられるんです。
詳しく教えて。自己負担限度額ってなに?
自己負担限度額というのは、1ヵ月に支払う医療費の上限額のことです。被保険者の年齢や所得状況に応じて区分されています。
例えば、標準報酬月額が25万円の会社員なら、自己負担限度額は57,600円です。
仮に、1ヵ月の医療費が50万円だったとすると、自己負担割合は3割なので、150,000円を窓口で支払うことになります。高額療養費の申請をすると、自己負担額150,000円のうち、自己負担限度額57,600円を超える部分があとで払い戻されるのです。この場合、92,400円(150,000円-57,600円)が払い戻されますね。
それは助かるわ。
高額療養費は、いったん窓口で自己負担額を支払って、申請後に払い戻される制度ですので、給付までに数ヵ月かかります。
えっ、数ヵ月!?家計への影響が大きいわね。
そうですね。でも、ご主人のように医療費が高額となることがあらかじめわかっているときは、「限度額適用認定証」を交付してもらい病院に提示すれば、窓口での支払いを自己負担限度額までとできますよ。
パパの入院費は結構かかりそうだわ。
限度額なんとかを準備した方がいいわね。
明日、ご主人が会社に連絡される際、いっしょに「限度額適用認定証」をお願いしてもらってください。ご主人が入院中なので、会社の担当者が代わりに申請してくれます。
わかりました。メモしておかなくちゃね。
それに、ご主人は医療保険にも加入されていらっしゃいますから、給付金を受けられます。備えておいてよかったですね。
助かったわ、渋谷さんがいてくれて。
ひとつ付け加えさせていただくと、高額療養費はひと月ごとに計算されます。ご主人のように、月をまたいで入院されると、払い戻される金額が少なくなってしまうんです。
相変わらず、間の悪いパパだわ。
さあ、ゆうくん、一緒に病院に行こう。
は~い。マジックを持って行って、パパのギプスに落書きしようっと。
今回は『高額療養費』のお話でした。「ライフプランニングと資金計画」に記載されています。FP試験では、「自己負担限度額」または「高額療養費」の計算問題が出題されることがあります。