iDeCoとNISA どちらにしようかな?

ねぇパパ、私も投資をはじめてみようと思うんだけど...。
調べてみたら、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)は、税制上、いろいろと優遇されているみたいね。どちらにしようかしら?

そうだねぇ。ふたつの制度は、運用益が非課税になるという点では共通なんだけど、年間拠出額や非課税期間、引き出し時期などが違うんだよね。

何を基準に考えればいいの?

そうだなぁ。ママは投資をして利益が出たら、すぐに引き出したい?
というのは、NISAはいつでも引き出しができるけど、iDeCoは原則60歳まで途中引き出しができないんだよ。

そうか!iDeCoは高齢期の所得確保を目的としているからね。

それに、NISAは20歳以上の人なら年間120万円まで投資できるけど、iDeCoは加入者によって年間拠出限度額が異なるのさ。
ママは国民年金の第3号被保険者だから、拠出限度額は年間276,000円だね。
自営業者等の国民年金の第1号被保険者は年間816,000円、会社員等の国民年金の第2号被保険者は企業年金を導入していたり、公務員だったりすると拠出限度額が異なるんだ。

あら、年間の拠出限度額が随分と違うのね。

ママがNISAで株式や投資信託などを購入し利益が出たとしようね。そうすると、その配当金等や売却益が最長5年間非課税になるんだよ。

120万円までが非課税になるの?

いやいや、そうじゃない。120万円というのは、年間に投資できる限度額さ。翌年には新たに120万円を限度として投資枠がもらえるよ。
例えば、NISA口座で120万円の株式投資をして、その後、株価が上昇し320万円で売却できたとしよう。手数料を考慮しなければ、200万円の利益が出たってことになるよね。その200万円が非課税になるんだ。
NISA口座以外の口座で200万円の利益が出たら、20.315%の税金がもっていかれるから、160万円ぐらいしか受け取れないんだよ。

その差は大きいわね。

NISAは確定申告も不要だしね。

あらっ、NISAってすごいのね!至れり尽くせりじゃない。

iDeCoは、年間拠出額の全額が所得控除できるから所得税や住民税を低くおさえられるんだ。運用中に利益が出ても非課税になる。それに、将来、年金として受け取ると公的年金等控除、一時金として受け取ると退職所得控除の適用が受けられるんだ。つまり、iDeCoは掛金の拠出時、運用時、受取時の3段階で税制上のメリットを受けられるんだよ。

iDeCoとNISAの両方をやることもできるのよね。
でも、そんなに資金に余裕があるわけじゃないし、私の場合、NISAかな。だって、運用益が出たらブランドのバッグを買いたいんだもん。

またですか...?自分のお金で買うならどうぞ。
ママは「つみたてNISA」にしてみたら!?
つみたてNISAの年間投資上限額は40万円、投資可能期間は20年間だから、最大800万円の投資ができるよ。

そうね。つみたてNISAデビューするわ。

iDeCoとNISAの特徴については、過去の試験でも出題されています。iDeCoは「ライフプランニングと資金計画」で、NISAは「金融資産運用」でポイントを整理しておきましょう。