2020.1月号 まちなかバリアフリー

2020.01.06公開

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。合格への気持ち新たに、幸先よくスタートをきりましょう!

お正月休みで帰省した方、旅行に行った方、多かったことと思います。出かけてみると、建築物や交通機関のバリアフリーが目に入ってきますよね。そこで、年初めの今号は、まちなかバリアフリーについてお伝えします。

【多機能型トイレ】

あちこちで整備されるようになった多機能型トイレ。当初は、いろいろな機能を盛り込んだ専用トイレを用意することが普及しました。しかし、車椅子使用者も、オストメイトも、お子さん連れの家族も、みんなで1つの多機能型トイレを使うことになり、混み合ってしまうという問題が生じました。また多機能型トイレが男女別のエリアのなかに設置され、異性の介助者が入れないというケースもありました。

そこで現在では、バリアフリー法の建築物移動等円滑化基準において、車椅子使用者用、オストメイト対応水洗設備、乳児用設備といった機能を別々に配置する「機能分散型便房配置」が推奨されています。1つの便房(個室)に集中しないように機能を分散させるのです。車椅子使用者用を男女共用で設置するほか、オストメイトや乳児用の設備を男女それぞれのトイレに設ける方法などが示されています。また、個室のスペースに少しゆとりがあるだけで助かることもありますから、機能付きのトイレのほかに、広めの個室も複数あることが望ましいとされています。

多機能トイレ.png
(国土交通省パンフレットの一部を加工)

そして国土交通省では、「心のバリアフリー」として、理解を広めていくために可愛らしいパンフレットやポスターを作成しています。このような設備とそれを必要とする人の存在を知り、譲り合って使用することが大切ですね。

【駐車スペース】

ほかにもこんなイラストがあります。お子さんでもわかりやすいですね。車椅子マークのあるところが「障害者等用駐車スペース」なのですが、どうやら悪い人が占領しているようです。

駐車場70.png
(国土交通省パンフレットの一部を加工)

車椅子などで車に乗降するには広いスペースが必要で、建築物移動等円滑化基準では、幅3.5m以上にすることなどが求められています。しかし、せっかく広い駐車スペースを用意しても、不必要な人に占領されていたら、本当に必要な人が使えません。

そこで、目立つ塗装色(青色)にしたり、看板を設置するなどして注意喚起したり、「障害者等用駐車スペース」に専用のゲートを設置して対象者以外の人が利用できないようにしたりしているそうです。

...こうして「障害者専用」と謳って特別扱いする対応になっていくのですね。これは、決して喜ばしいことではありません。ユニバーサルデザインが遠のいていきます。バリアフリーの完成には、「心のバリアフリー」が欠かせないのです。

【バリアフリー法改正】

バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)は、実は少し前に改正されています(2018年5月公布)。残念ながら公式テキスト改訂5版に入らなかったので触れてきませんでしたが、誰にもかかわる重要な内容ですので、ここで少しだけご紹介します。まず、第1条の2に基本理念が新設されました。

第1条の2(基本理念)
この法律に基づく措置は、高齢者、障害者等にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資すること及び全ての国民が年齢、障害の有無その他の事情によって分け隔てられることなく共生する社会の実現に資することを旨として、行われなければならない。

「社会的障壁の除去」と「共生社会の実現」のキーワードが入っているのがポイントです(太字のところです。言葉は少し違いますが同じ意味です)。

さらに、「心のバリアフリー」として、公共交通機関等を利用する際に必要な支援(「声かけ等」)を行うことが国と国民の責務に追加されました。

第7条(国民の責務)
国民は、高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性について理解を深めるとともに、これらの者が公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援その他のこれらの者の円滑な移動及び施設の利用を確保するために必要な協力をするよう努めなければならない。

太字のところが「声かけ等」のことです。皆さん、駅などで困っている人を見かけたら、声かけ等の支援をすることが努力義務として明記されたのですよ。福祉住環境コーディネーターはその先頭をきって実践していきたいですね。バリアフリーのまちづくりは、共に過ごす人々の協力あってこそです。

以上、いかがでしたか?
今号の内容に関心を抱いてくださった方は、ぜひ1級をめざしてください。実は、今回触れたバリアフリー法の建築物移動等円滑化基準などは、1級試験範囲のお話でした。その前に3級・2級に合格せねば!という方は、いまのうちからコツコツと進めていきましょう!

今年も皆さんの受験を応援していきます。2020年、勝負の日は7月5日と11月22日。合格して福祉住環境コーディネーターになりましょう!(駒木)

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