2019.9月号 第42回試験の合否を分けた問題

2019.08.30公開

朝晩が涼しくなってきましたね。ひんやりしてきたら11月試験の季節です!

過去問分析をしていたところ、第42回試験の正答率のデータから、失点につながった要素や試験傾向の変化がみえてきました。そこで今号は、2級試験について、合否を分けた問題と問題形式を挙げて一言アドバイスをお届けします。
(受講中の方は、第42回試験の過去問題集を間もなくお届け予定です)

【3級と2級の難易度】

まず、全体的な難易度から振り返ります。先日、第42回試験の結果が発表され、合格率は360.6(平均点72.3点)、229.9(平均点61.7点)で、3級と2級の難易度に差がつきました。細かい点をみても、3級試験のみ、いくつもの専門用語にルビがふられ、より初学者にわかりやすく、という配慮があった一方、2級試験は長文の傾向が続きました。明らかに3級と2級の差別化がはかられているように感じます。

ということは、今後も2級試験については前回程度の難易度が続いていくことが予想されます。6年前(第30回・第31回)のような、合格率70%超えが続くようなことは期待できないと考えておきましょう。

合格率.png

それでは、自動採点サービスにご入力くださった方のデータから、2級試験の問題を具体的にみていきます。

【合否を分けた問題】

正答率の高い問題から正解していった場合に、合格ライン(70点)付近となった問題を取り上げます。次の5問のうち、2問正解できれば合格ラインでした。

第1問ウ(福祉:要介護・要支援認定)
第5問5-1ア(建築:事例)
第5問5-1ウ(建築:事例)
第6問ア(福祉:ケアマネジメント)
第7問エ(建築:屋内移動)

それぞれ、簡単にご説明します。

●第1問ウ
適切なものを選ぶ問題でしたが、③の不服申し立てについての不適切な記述を選択した方が多かったようです。しかしこれは設問文1行目で判断したかった問題です。キーワード「異議」「3月以内」ときたら、「都道府県」の「介護保険審査会」がくるはずなのに、「市町村」の「介護認定審査会」とある時点で不適切です。さらに、差し戻し・審理・やり直しなど、書いてあることはすべて嘘でした。

すべてが嘘の文章って、一部だけを変えた文章よりも、逆にそれっぽく見えるんですよね。そして、「そんなの知らない」と思っても、自分の勉強不足を疑ってしまうと「自分が知らないだけで、適切なのでは?」と思えてしまう。これは、完全に試験問題の罠にはまっています。

⇒知らない内容で判断してはいけません。保留にして、知っている選択肢を探しましょう。

●第5問5-1
(e)の選択肢の判断が難しいところでした。当日の試験総評でも触れましたが、妻に介護負担を強いるようなアドバイス内容なので、「適切」とは言い難く、これを「不適切」にした方が失点してしまいました。これについては、東京商工会議所へ、試験問題として不適切と考える旨、伝えてあります。事例問題の場合、このように事例特有の事情が混在し、判断に迷う内容が出てきやすいのですが、その場合は、"明らかに不適切な記述があるかどうか"で判断してください。

⇒情報不足により判断できないところでは、勝負しないようにしましょう。

●第5問5-1
庭に設置したスロープの図から適切なものを選ぶ問題でした。この問題のポイントは、まず、スロープ全体の形状を把握することと、最初に示された平面図に戻って位置を確認することでした。そうすれば、出入り口の向きからして、消去法で2つに絞られました。

⇒図面は大きなところから見ること。位置、向き、(断面図では)切り口を先に確認しましょう。寸法は二の次です。

なお、このスロープは途中で折り返しのある形状でしたが、勾配の算出にあたって難しく考える必要はありません。単純に2つのスロープがあると考えてください。折り返しの水平面を挟んだ上下に、別々のスロープがあるととらえ、それぞれのスロープについて、高低差と水平距離を読み取るということです。

●第6問ア
不適切なものを選ぶ問題で、「サービス担当者会議」を「地域ケア会議」に入れ替えた④が正解でしたが、皆さんの解答が割れました。この引っかけに気づかなかった方が多かったようです。専門用語は、①言葉の意味を押さえること、②似たものとの区別をつけること、そして解答にあたって③注目し、読み流さないようにすること、の3点を意識してください。

⇒キーワードの入れ替えはよくあるパターン。問題演習で感度を上げましょう。

●第7問エ
○×の組み合わせ問題で、一つ違いの組み合わせが選択肢に用意されていたため、ミスリードされた方が多かったようです。これについては、第7問エに限らず、今回の試験の特徴といえることですので、下に取り上げます。

【○×の組み合わせ問題】

2級の○×の組み合わせ問題が、急激に難しくなりました。一つ違いの組み合わせがあり、最後の二択まで考えさせる問題が13問中10問もあったためです。

○×組み合わせ.png

過去にはほとんどなかったので、今回からの難易度調整であると考えられます。今後もこのような出題が続くと思われるため、要注意です。問題演習で慣れておきましょう。

⇒下線を引くなどしてよく確認しながら絞り込み、最後の二択まで集中力を維持しましょう。

【個数問題】

問題の形式別にみて、もっとも特徴的なのは個数問題です。2級試験では、今回も2問の個数問題が出されました(第6問イ、第8問ウ)。個数問題は、どうしても正答率が低くなります。得意な内容であったとしても、解答にあたって他の形式より不利な状況ですから、割り切りが必要です。

⇒個数問題は、時間をかけすぎないように解答しましょう。

【ワースト問題】

最後に、ワースト問題も知りたい、という方のために正答率の低かったワースト5をご紹介します。

1位:第5問5-2エ(事例問題で出題されましたが福祉用具分野:段差解消機のテーブル)
2位:第4問4-2エ(医療:遠隔記憶)
3位:第1問オ(福祉:住宅確保要配慮者居住支援協議会等)
4位:第10問10-2エ(用具:(固定型)階段昇降機)
5位:第7問イ(建築:手すりの取り付け)

段差解消機のテーブルは、「え、そこ?」という意表をつかれたパーツ名の穴埋め問題で、遠隔記憶は初めての出題でした。このような細かい知識は、拾う必要性が低いと考えられます。

⇒過去問を復習する際には、このような細かな知識に時間をかけないようにしましょう。

ただし、「住宅確保要配慮者居住支援協議会」については、今後、連続出題される可能性があります。新しい内容なので、今回は多くの方がノーマークだったと思われますが、「新たな住宅セーフティネット制度」の柱の一つです。住宅確保要配慮者に対して、住宅の紹介やあっせんなどの支援を行う組織であることは知っておいてください。

以上、いかがでしたか?
初挑戦の方も、再挑戦の方も、過去問題をしっかりと攻略し、次回に向けて弾みをつけていきましょう!

ちなみに、2018.12月号で取材のご報告をした国際福祉機器展(H.C.R.)、今年は9月25日(水)~27日(金)開催とのことです。東京ビッグサイトまで足を運べる方にはオススメです。(駒木)

駒木2.pngのサムネイル画像