2019.4月号 寸法よりもレイアウト!

2019.04.01公開

新元号が発表されました。「令和」だそうですね。早速、「令和元年合格」をめざして気持ちあらたに取り組んでいきましょう。そして、77日(日)七夕の第42回試験まで、100日を切りました。いよいよカウントダウン開始です!(申込登録は423日開始です)

そこで今号は、覚えておきたいトイレ、浴室、キッチンのレイアウトを取り上げます。スペースが限られるなかで複雑な動作をするトイレや浴室、そして人によっては長時間作業をするキッチンは、寸法だけでなくレイアウトの工夫が重要で、試験でも頻出です。それぞれの特徴を把握しておきましょう。

(今号はすべて2級試験の内容です。3級試験では、トイレなら「500mm以上の介助スペース」、浴室は「洗い場の段差解消」、「和洋折衷式浴槽の寸法」、キッチンでは「電気調理器」が頻出です)

【トイレのレイアウト】

狭いスペースで動作が多いといえばトイレです。トイレのレイアウトは、より配慮の必要な車椅子でのアプローチを学習します。便器へのアプローチの仕方によって大きく3パターンに分けられます。

前方アプローチ

前方アプローチ.png

前方アプローチは、便器正面から近づく方法です。車椅子ごとトイレのなかに入るには、奥行きが最低でも有効寸法1,800mm必要です。これは壁芯-芯距離が6尺(1,820mm)でも足りないので、一般家庭では確保しにくいでしょう。トイレのドアを開けたまま、という状況になることが多いようです。

側方アプローチ

側方アプローチ.png

側方アプローチは、便器への移乗でもっともよく使われる方法です。6尺×6(1,820mm×1,820mm)のスペースが必要です。出入り口の位置が重要で、上の図のように、入ってそのまま移乗できる向きになるのが理想です。出入り口の位置に配慮すれば、狭いスペースでも、同じようにアプローチすることが可能です。

36側方アプローチ.png

たとえば...上の図では、車椅子がトイレの外に出ていますが、そこが廊下だと、廊下が通せんぼ状態になり、またプライバシーの問題も大きいです。しかし、そこが洗面・脱衣室であれば支障は少ないでしょう。

横方向アプローチ

横方向アプローチ.png

横方向アプローチは、便器と同じ向きに車椅子を近づける方法です。この場合は、便器の横に800mm程度のスペースが必要です。真横にスライドするような移乗を行う人に適したレイアウトです。

【浴室のレイアウト】

浴室も、衣服の脱着や洗体など、複雑な動作を伴います。浴室と洗面・脱衣室は、それぞれ6尺×6(1,820mm×1,820mm)あると、ベンチを置いたり、車椅子やシャワー用車椅子で移動したりすることができます。そこで問題となるのは浴槽の配置です。以下の2パターンには、それぞれ一長一短がありますので、動線をイメージしながら考えてみましょう。

正面に洗い場があるレイアウト

正面洗い場レイアウト.png

浴室の出入り口から入って正面に洗い場のあるレイアウトです。上の図だと入るときの右手側に奥まで壁がありますから、そこに手すりを設置し、移動のときに頼りにできます。しかし、間口が限られるので、建具の幅員を拡げることもできないし、介助者も動きにくいです。

正面に浴槽があるレイアウト

正面浴槽レイアウト.png

今度は正面(奥)に浴槽のあるレイアウトです。出入り口の幅員を拡げやすいので、図でも3枚引き戸にしています。介助者も動きやすいです。ただしその一方で、手すりを設置する場所が限られてしまい、洗い場の移動時に手すりを使うことができません。

【キッチンのレイアウト】

キッチンのレイアウトは、移動距離とからだの向きを考えます。車椅子での利用に向くか向かないかというポイントを押さえておきましょう。キッチンの形状にはいろいろありますが、代表的なI型とL型を比較します。

I型キッチン

I型キッチン.png

I型キッチンはもっとも動線が単純で、小規模の場合には移動距離も短く、高齢者に向きます。しかし大きい場合には移動距離が長くなります。そして通常の車椅子は、横方向には動けないので、車椅子に向いているとはいえません。

L型キッチン

L型キッチン.png

L型キッチンでは、L型のコーナー部分で、からだの向きを変えることになります。その分、移動距離は短くすみます。そして、方向転換は車椅子で操作しやすいので、車椅子に向いているといえます。

以上、いかがでしたか?
試験直前になると、ある程度は暗記が必要になりますが、その暗記の量を減らす方法は、ただ一つ、理解することです。理解して判断できることなら暗記の必要がありません。いまはまだまだ、理解を増やすことができる時期です。動線をイメージしたり、ご自宅のレイアウトと比べてみたりしながら、理解し判断できる内容を増やしていきましょう!その調子です。ファイト!(駒木)

駒木2.pngのサムネイル画像