2018.11月増刊号 第41回試験の総評

2018.11.25公開

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福祉住環境コーディネーター検定試験®、3級に続き、午後の2級も無事に実施されました。受験なさった皆さん、お疲れさまでした!!3級の下に2級の試験総評を加えましたので、どうぞご覧ください。(19:00更新)
最後に、ご報告と解説を追記しました。(2018.11.30更新)

【3級の総評】

前回の合格率は56.6%(平均点71.1点)でした。今回の試験を比べてみると、問題数、問題形式などに大きな変化はありませんでしたが、問題の難易度は前回より易しくなり、解きやすいものが多かった印象です。

分野別にみると、配点には若干の変更がありました。

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●1章(福祉)前回22%→今回19
人口動態や住環境の問題点、介護保険制度、障害者総合支援法など、さまざまなテーマから出題されました。難しい肢もあるものの、解答は素直に探しやすい印象です。追補資料からは介護保険制度の利用者負担(1~3割)が出題されました。

●2章(医療)前回21%→今回19
※第3問エについて。出題の意図を汲むと、解答は②と思われますが、④も適切とはいえません。④は認知症について「認知障害により日常生活を普通に営むことに支障が出ている状態を称して認知症という」としていますが、これでは先天性の知的障害なども認知症になってしまいます。模範解答は②としておきますが、指導部では④も不適切であると判断します。

●3章(用具)前回21%→今回21
福祉用具については、多様な引っかけが出題されました。ISOとJIS、ティッピングレバーとハンドリムなど、注意深く見ていく必要がありました。

●4章(建築)前回21%→今回26
出題数が5ポイント増加しました。その割に数値が直接問われることは少なく、頑張って寸法を暗記していた方には拍子抜けだったかもしれません。

●5章(福祉)前回15%→今回15
前回同様、配点が控えめなまま維持されました。一般定期借地権、リバースモーゲージ、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなどの定番項目を押さえておけば十分に高得点が狙えたものと思われます。

【2級の総評】

前回の2級は、忘れもしない合格率13.8%(平均点55.1点)という難しさでしたね。今回はどうなるかと心配していましたが、全体的に前回よりも解きやすい問題が増えた印象です。ただし5~6行の選択肢が多く長文の傾向は続きました。また個数問題は2問あり、いずれも適切なものの個数を選ぶ問題でした。

分野別にみてみると、配点は前回と基本的には同じでした(※変更しました。事例問題のなかの第5問5-1エ「リフトの位置合わせ」は福祉用具の内容なので、建築から用具へと変更しました(2点分)。これにより、建築と用具が2ポイントずれています)。

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●1・4章(福祉)前回30%→今回30
前回の試験を難しくした「住宅・土地統計調査」が再び現れてヒヤリとしましたが、高齢者世帯の持家率の問題でしたね。これは想像で解けたのではないでしょうか。もちろん、全世帯の持家率よりも高いですよ。そして介護保険制度については法改正からの出題がありましたが(第1問エ、4-1ア)、それほど多くはありませんでした。

●2・3章(医療)前回28%→今回28
廃用症候群、骨折、認知症、視覚・聴覚・言語障害、内部障害などが出題されました。なかには細かい知識も混ざっていましたが、おおむねわかりやすい表現になっていて答えを絞りやすかったのではないかと思います。

●5章(建築)前回27%→今回25
第5問事例では、「うーん」と悩ましい問題もありました。5-1ウでは、段差解消機の設置によって段差ゼロの移動を可能にした④を選びましたが、デッキがないので大丈夫かな?と心配です。また、5-2ウは、何を聞いているのかわかりにくいですね。指導部では「手すりと手すりの間の距離について、算定幅ではなく実際の有効でどれだけになるか」という問であると受け止めて、⑤580mmにしました。

●6章(用具)前回15%→今回17
今回の福祉用具は、学習量で差がつく問題でした。法改正からの出題もあり(第8問ア、イ)、試験範囲最後の義肢・装具まできちんと学習した方がしっかりと得点できる問題が用意されていました。

今回の2級試験は、心折られるような問題がなかったことに皆さんのがんばりを乗せて、合格率倍増となりそうです!!

総評は以上です。
特に2級は前回の合格率が低かった分、今回挑戦なさった皆さんは大きな不安とも戦いましたね。しばらくの間張りつめていた緊張がとけて、疲れがどっと出るかもしれません。からだを労わって、十分に休息をとってくださいね。

また、前回試験では、一部地域で中止という事態になりました。被害に遭われた方、受験できなかった方が大勢いらっしゃいました。それぞれに大変な思いをなさったことと思います。今回はおおむね天候に恵まれ、全国で無事に皆さんが受験できたことを本当に嬉しく思います。一安心しました。

【今後のスケジュール(3級・2級)】

(1)WEB成績票照会NEW
12月14日(金)11:00~2019年1月18日(金)18:00
今回の試験からWEB成績票照会が開始されます。ご自身の成績を知るために、受験票(内側ではなく裏面の青字印刷のところ)に記載されているURLへアクセスしてみましょう。
(2)合格証発送
2019年1月4日(金)
晴れて合格した方のもとへ、立派なカードタイプの合格証が届きます。

●11月末が受講期限の受講生の方へ
ご受講、ありがとうございました。福祉住環境コーディネーターの学習はいかがでしたか?
この学習内容は、ひと通り終えてから初めて面白さを実感できるところがありますよね。

実は私がこの面白さに気付いたのは、2級受験の真最中でした。問題を解きながら「横断的な視点って大切!」と気づきを得て興奮し、試験会場からの帰り道、1級テキストを買って帰ったのを覚えています。試験中に楽しくなるとは、それまでの受験勉強がよほど嫌々だったのかと(笑)。

皆さんも、これからお仕事や生活のなかで、「これはまさに勉強したこと」と気づき、実感することが度々あるでしょう。そのときにこの知識を役立ててくださいね。そして何度でも学び直してください。それだけ価値のある内容です。最新の福祉機器やロボット技術、2020年パラリンピックに向けて障害者スポーツなど、興味を拡げてみるのも素敵ですね。

皆さんの今後のご活躍を祈念しています。

それでは皆さん、本日は本当にお疲れさまでした!
拍手!パチパチパチ

2018.11.30追記
【受験なさった皆さんへのご報告と解説】

●3級第3問エ.④
総評でも触れたとおり、「認知障害により日常生活を普通に営むことに支障が出ている状態を称して認知症という。」とありますが、これでは先天性の障害も認知症であることになります。認知症は後天的な脳の障害によって生じるものであって、先天性の障害は含みません。したがって、④は不適切と判断します。第3問エは②も不適切であるため、正答は②と④の2つにすることを提案、お願いとして東京商工会議所のご担当へ申し入れました。

●2級第5問5-2ア
階段の踏面の寸法を読み取る問題でした。試験範囲外かと思いきや、テキストの知識で解けるような配慮がなされていましたので、ここで解説します。

図面には踏面の寸法240mmと並んで蹴込みが20mmあり、これを寸法に入れるか入れないかが難しいところでした。答えとしては水平投影距離(真上から見える寸法)で測るため、蹴込み分は入れないのですが、これは試験範囲外の専門知識です。

しかしよく見ると、設問文には「勾配については、~等級5、4に該当し、~」とあります。高齢者等配慮対策等級の等級5、4に該当するためには、勾配が「R/T≦6/7」かつ「550mm≦2R+T≦650mm」である必要があります(←これはテキストに載っています!Rは蹴上げ、Tは踏面です。この問題では蹴上げが200mm)。そこで計算してみると、「R/T≦6/7」(6/7以下)は240mmと260mmのどちらもOK。そして、踏面240mmだと「550mm≦(200×2+240=)640mm≦650mm」もOKですが、260mmでは「550mm≦(200×2+260=)660mm>650mm」で、おさまらなくなりました。そこで、260mmの可能性が消え、240mmが正解であると判断できたのです。

テキストで学習した知識を総動員して正解にたどり着くことができるように配慮された、素晴らしい問題でした。感服です。ただ、この解き方(基準を暗記しておいて、計算して検証する)は1級レベルです。解けなかった方も、落ち込まないでくださいね。

3級の採点については、正式発表(WEB照会)までお待ちください。学習した方の努力が報われる結果になることを期待して待ちましょう。(駒木)

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