2018.7月号 第40回試験の総評

2018.07.08公開

本日、福祉住環境コーディネーターの検定試験が実施されました。受験なさった皆さん、お疲れさまでした!!ただ、あいにく、2会場では試験が中止となってしまいました。中止となった会場の方、何らかの救済があるはずですから、試験元からの連絡をお待ちくださいね。

それでは、試験総評をお届けします。3級の下に2級の試験総評を加えましたので、どうぞご覧ください。(19:00更新)
解説を少しと、最後にご報告を追記しました。(2018.07.10更新)

【3級の総評】

3級試験は、前回(第39回)試験の合格率が34.1%と低かったですよね。ですから、今回は易しくしてくるかと思いきや...内容としては、あまり易しい印象はありませんでした。といっても、前回増加していた住宅施策の問題数が減り、元に戻ったので、皆さん、楽に感じたのではないかと思います。また、解答にあたって判断しやすい問題が多かったので、合格率は例年並みに戻りそうな気がします。

なお、『追補資料』からは、「全国平均貸与価格」の公表(第1問オ④)や、難病「358疾病」(第4問4-2ウ)、負担割合「3割」(第9問9-1ウ)が出題されましたが、得点にはわずかしか絡みませんでした。

分野別に配点をみると、次のとおりです。

40.3.png

●1章(福祉)前回26%→今回22%
2章が増えた分、1章が4ポイント減りました。少ないながら、内容は、少子高齢社会の現状、介護保険制度、障害者総合支援法、とバランスよく出題されました。『追補資料』の法改正情報が少ししか出なかったのはホッとしましたね。

●2章(医療)前回15%→今回21%
出題が6ポイント増えました。特徴的なのは、第3問エで事例問題が出題されたことです。便宜上、2章に分類していますが、これは建築もからむ総合的な応用問題でした。事例文からは、右片麻痺であることを読み取る必要があり、(C)の肢の判断に影響しましたが......ちょっと待った、それ(手すりは健側に設置)は2級の試験範囲...

●3章(用具)前回19%→今回21%
3章の問題で気になったのは第6問イです。【C】には、「点字器」が入りますよ。「視覚障害者用拡大読書器」も当てはまるのでは?と戸惑いましたが、よく読むと「触覚情報や聴覚情報に変換する」とありますね。なので、答えは点字器でした。わかりにくい問題だったと思います。

●4章(建築)前回21%→今回21%
4章は引っかけが盛りだくさんでした。引き戸と折れ戸を入れ替える、踏面と蹴上げを入れ替える、レバーハンドルとノブを入れ替える、などなど。建築のキーワードに慣れておいた方は得点できたことでしょう。合格者とそうでない方とで差が出そうな問題でした。

●5章(福祉)前回19%→今回15%
前回よりも出題が減り、疲労感も少なかったことと思います。殿堂入りした「一般定期借地権」もまた出ましたね。住宅施策やまちづくりは、よく出る内容が決まっているので、過去問をしっかり攻略することが必勝法です。

【2級の総評】

まず、試験全体の印象は、難しくしてきたな、という感じがします。文章量がまあまあ多かった、個数問題が1問増えて3問になった、不適切のポイントがわかりにくい、過去問と傾向をずらしてきた、といった点です。合格率は、前回(第39回)51.9%よりも下がることが考えられます。

【修正しました】分野別の配点は、前回からわずかに変更になっていました。

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●1・4章(福祉)前回28%→今回30
最初から...難しかったですね。私たちも心折れそうになりました。『追補資料』からは1問も出題されず(それはよかったのですが)、介護保険制度は2005年改正ラッシュでした。また、最近出題されていなかった統計調査からもたくさん出題されました。

第1問エ①は、バリアフリー法について、障害者を身体障害者に限定している点が不適切です。よく見ると、法律名も「高齢者、身体障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」になっています。正しくは「高齢者、障害者等の~」ですね。ここは、正式名を暗記、というよりも、「すべての障害者を対象とした」という趣旨を理解しておきたいところです。

●2・3章(医療)前回31%→今回28
医療は、他の分野よりも解きやすかった印象です。高齢者や障害者の心身の特性、認知症、関節リウマチ、糖尿病、肢体不自由、認知・行動障害などについて出題されました。ただし、第4問4-2ウについては、出題の意図を汲むと答えが②回復期になるのですが、一般的に③生活期に住宅改修しますから、疑義のあるところです。

●5章(建築)前回28%→今回27%
第5問事例は、今回もうなりながら模範解答を出しました。特筆すべきは、5-1イ。指導部では、①を答えにしましたが、そのカラクリに気づいたときには驚きました。結局、吊元が左右反対なんですよね。一点鎖線が吊元を示す記号なのですが、それを知らなくても把手の位置で判断ができます。改修後の開き戸は、把手が右側にくるはず。トイレの中から見た向きなので。というわけです。

第7問イ(d)は、「枠組壁構法の住宅であれば壁の取り外しが比較的容易に~」とある部分が誤りです。枠組壁構法は、壁自体が住宅を支えているため、原則、壁を取り外すことができません。「壁・柱を取り外す方法」は、軸組構法の住宅で行われます。

いま、解説を追記しながら思いましたが、今回の試験は1~3文字程度の間違い探しが多かったかもしれませんね...

●6章(用具)前回13%→今回15%
定義、支援プロセス、制度上の取り扱い、つえ、歩行器・歩行車、リフトなど、バランスよく出題されました。個数問題がなかったので、ここで稼ぎたいところでした!

総評は以上です。
皆さんの夏の戦いはいかがでしたか?暑い中がんばった、からだも、頭も、気持ちも、労い癒してくださいね。

また、この試験直前期、大きな地震や大雨の被害がありました。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。勉強どころではなくなった方も多かったことと思います。皆さん、それぞれ素晴らしい健闘でした。被害のなかった地域の方も、試験が終わったところで、あらためて福祉住環境と防災の観点で、周囲の安全を点検しておきましょう。

成績票発送は、8月10日(金)です。合格者には立派なカードタイプの合格証が届きますよ。...ということは...、待つべきは、ハガキではなく封筒です!「封筒届け!」と念じましょう!

残念ながら受験できなかった方は、ぜひまた11月に挑戦してください!

●7月末が受講期限の受講生の方へ

ご受講、ありがとうございました。福祉住環境整備の知識は身につきましたか?
学習にはどうしても時間がかかりますから、いつもの生活をそのままに学習を追加することは難しく、どうしても何かを削り、我慢することもあったかと思います。

でも、目標をもって取り組み、得られたものは日常以上の価値のあるものです。ここで得た知識や学習経験は、皆さんの糧となって今後の支えになるでしょう。資格の生かし方はさまざまです。これからもずっと応援しています。

皆さんの体験を「合格体験談」でお寄せいただけると嬉しいのですが、もしたくさん書くことがご負担でしたら、「質問メール」でもかまいません。受験の感想、エピソード、愚痴...なんでもいいので一言お寄せください。「学習に関する質問」タブからお送りいただくと、指導部に直接届きます。ご連絡をお待ちしています(質問メールは今月中にお願いします!)。

合格ラインに届かなかった方は、ぜひ11月に再挑戦してください。成績票発送から1か月後には、もう次回の試験申込が始まります(9月11日(火)~)。すぐにリベンジを果たせますよ!忘れないようにスケジュール帳にメモをして、受験要項も保管しておいてくださいね。次回の11月試験は試験範囲もまったく同じです。

それでは皆さん、本日は本当にお疲れさまでした!
拍手!パチパチパチ

2018.07.10追記
【受験なさった皆さんへのご報告】

第40回試験の模範解答は当日中にすべて確定しましたが、疑義を抱いた問題もあったため、指導部の見解を東京商工会議所のご担当へ伝えました。皆さんにも一部概要をお伝えします。

2級第4問4-2ウ
住宅改修に取り組む段階として、「②回復期」を選択する問題です。この出題のもととなる資料では、回復期に行うこととして、退院に向けた住宅改修を提案しています。それはそうなのですが、住宅改修は、退院準備(回復期)段階でも、退院後(生活期)でも、行います。介護保険の住宅改修費も、退院しなければ支給されません。したがって、「③生活期」を解答した方が多かったのではないかと思います。

そこで、②も③も両方正解に!と駄々をこねておきました。

【修正しました】2級第5問5-1ウ④
当初、北側壁面のL型手すりについて、縦手すり部分がないのが誤り、と記載しましたが、それはA-A´の切り口から見ると正しく、解決済みでした。勢いあまり、失礼いたしました。残る疑問点は、横手すり部分の断面がないので手すりに見えない点、また水栓金具がない、という点でした。

以上です。今回の2級は本当に難しかったですね。結果が振るわなかった方は、少し休んだら早めに今回の試験を検証し、学習再開してくださいね。私もこれから分析しつつ、過去問解説を執筆します!(駒木)

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