2018.5月号 疾患に応じた整備の留意点

2018.04.27公開

ゴールデンウィークが始まりますね。皆さんの学習はいかがでしょうか?せっかくの連休ですから、楽をしましょう!...楽をするというのは、「無理なく楽しく学習する」ということです。「やらない」ということではありませんよ。

学習を楽にする一番の方法は、習慣化すること。万年受験生の私は、①テキストと筆記具を机に出したままにする(すぐに取り掛かれます)、②短時間でもいいから毎日やる(途切れると動き出すのが大変です)、③学習記録をカレンダーにつける(達成感に浸れます)、この3つで習慣化しています。皆さんもお試しあれ。

さて今号は、「追補資料に惑わされず、福祉住環境整備の本質の学習をしていただきたい!」との思いから、疾患に応じた整備の留意点を取り上げます。今回は関節リウマチとパーキンソン病について。

具体的な疾患の内容は2級試験範囲ですが、疾患に応じたイレギュラーな整備方法が一部、3級試験にも出てきます。対象者像がイメージできると理解につながりますよ。

【関節リウマチ】
テーマは「関節への負荷の軽減」

関節リウマチは、自分のからだの正常な組織を、異常なものと誤認して攻撃する自己免疫疾患です。関節の滑膜が攻撃されることで軟骨や骨まで破壊され、進行すると関節が変形していきます。この間の主な症状は、関節の腫れや痛み、こわばりです。ですから、関節をいたわり、関節に負荷をかけないようにすることが最重要なのです。

そこで、関節リウマチのある場合の整備は、関節への負荷を軽減するため、座面高めの「いす座」で、各所に「手すり」、段差は「小割り」にすることを基本とします。

また、30~50歳代の女性に発症しやすいため、自分のからだのことだけでなく、家族のための家事も課題に含まれることが多いのが現状です。もちろん、無理はいけませんから、家族での役割分担の見直しが必要です。ただし、本人の望む役割なら、できる限り続けていけるよう、支援していきます。

関節リウマチ.png

まずキッチンは、座って作業できるように、シンク下には膝入れスペースを確保し、高さも調整します。また肩や肘の関節に可動域制限が生じるほか、指先は関節だらけですから指先での細かな動作も困難になりがちで(手指の巧緻性(こうちせい)の低下といいます)、自助具もよく用いられます。たとえば握りやすい「太柄スプーン」、肘が曲がりにくいなら口元に届きやすい「曲がりスプーン」、手を伸ばす代わりに「リーチャー」、そのほか把手やレバーは手指を使わなくて済むようなものを活用します。

段差解消については、スロープやすりつけ板が適さないことが多いので注意です。問題は上りのときで、背屈(つま先を上げること)がきついのです。正面向きで上ると足首に負担なので、後ろ向きになって上る方もいます。そのような場合は、スロープよりも式台や階段で段差を小割りにします。

入浴動作では、浴槽をまたいで入るのがとても負担で、シャワー浴で済ませてしまうという方も少なくありません。浴槽に入る際には、入浴用リフト(固定式リフト)や浴槽内昇降機を、また歩行が困難な場合はシャワー用車いすを使用することもあります。

【パーキンソン病】
テーマは「転倒予防とすくみ足対策」

パーキンソン病は、脳の黒質で産生されるドパミン(ドーパミン)という物質が不足し、線条体というところに十分な量が届かなくなることで、からだをスムーズに動かせなくなる神経難病です。

そこで、パーキンソン病のある場合、基本的な考えは、スムーズな動きを誘導することです。

主な症状は、振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢反射障害・歩行障害などです。たとえば、歩き始めの第一歩が出ない「すくみ足」が生じたり、傾いた姿勢を戻せなかったりして転倒しやすくなります。すくみ足は、足を出そうと思っても出ないのですが、目印があるとスムーズに出るのが特徴です。そこで、廊下などには20~30cm間隔でカラーテープを張るなどすることがあります。

パーキンソン病.png

また、からだの方向転換が苦手です。そのため、開き戸は開閉時にからだのバランスを崩しやすいので、引き戸の必要性がほかの方よりも高くなります。できれば間取りも、直角に曲がる配置を避けます。小刻み歩行やすり足の症状も同時に出やすいので、つまずきにも要注意です。

そしてスロープが苦手なことも多いです。でも、その理由は関節リウマチの場合と違って、関節ではなく姿勢自体が斜めになると倒れやすく、また階段のほうが、一段一段が目印となって足を出しやすいためです。

関節リウマチの場合も、パーキンソン病の場合も、いずれもスロープ上の歩行が苦手な点が共通していますね。しかし、進行して歩行が困難になった際には、車いすを使用することが考えられ、車いす移動となった場合にはスロープ(または段差解消機)が必須です。いずれも進行性疾患ですので、将来を見極めながら整備を検討するというのが、とても難しいのですが、とても大事なことです。

最後に、あくまで、福祉住環境整備は本人のために行うということを忘れないでくださいね。疾患のための整備ではありません。疾患を抱えながら生きる、その人の生活を支えていくことです。疾患の経過がさまざまである以上に、生活に対する考えは人それぞれです。その人にとっての必要な住環境を考えられる人材になりましょう。

以上、いかがでしたか?
7月の第40回試験も、申込登録が始まりました。5月25日までです。
指導部には、「3級にしぼるか、2級も一気に受けるか、迷っている」といったご相談が寄せられています。年に2回のチャンスがあり、また2級と3級を自由に受験できるとなると、選択肢がありすぎて迷ってしまいますね。

7月8日の試験まで、まだ2か月以上ありますから、これからの学習でいくらでも挽回が可能です。できるかどうか判断がつかないという方は、模擬試験や過去問題を解いてみて、その結果を参考にしてください。「上乗せが必要な点数」と「学習に費やせる時間」との兼ね合いで判断しましょう。

また、「やるぞ!」と決めた方は、もう迷わずに突き進みましょう! U-CAN指導部もこれからの直前期、精一杯お手伝いしていきます(メルマガやWEBテストは受講生専用ですが、掲示板や出題予想、解答速報はどなたでもご覧になれます)。

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いよいよ次号、出題予想をお伝えします。それまでに、試験範囲をひと通り学習しておいてくださいね!(駒木)

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