2018.4月増刊号 法改正情報~追補解説②~

2018.03.30公開

前号に続き、『追補資料』の解説をします。その前に、追補資料関連の疑問解消から。

Q:追補資料は、自分でプリントアウトしなければならないのですか?
A:プリントアウトしなくてもかまいません。
現在、追補資料はPDFで公開されていますが、プリンタをお持ちでない方、無理にプリントアウトする必要はありません。試験の申込登録をすれば、受験料の払込票とともに送られてきます。また、受講中の方は、指導部からお届け予定の「2018年版フォローアップ」さえ目を通せば試験対策はバッチリです。

Q:試験に出るのは、改正後の最新情報だけですか?
A:最新情報だけでなく、過去の内容も試験範囲に含まれます。
法制度の改正があると、その最新情報に目が行きがちですね。しかし、この検定試験では、特に介護保険制度については、恤救(じゅっきゅう)規則にまで遡るなど、その変遷を試験範囲に含めているのが特徴です。ですから、最新情報だけでなく、制度が見直されてきた経緯についても学習が必要です。特に大きな変更点や掲げられたテーマは押さえておいてください。

ちなみに、直近で介護保険制度の改正が出題された第39回2級第1問アでは、①~④の選択肢のうち、①②は2005年改正、③④は2014年改正でした。その正解率は、35.6(自動採点サービスの集計から)。この試験での正解率ワースト3に入りました。細々とした引っかけ問題ではありましたが、皆さんが避けて通ろうとした痕跡も見える気がします。

今年度試験における制度改正の優先順位としては、①2017年改正(最新)、②2005年改正(大改正)、③2011年改正(少しシフトチェンジして重度者向けの対策を講じた)というところです。少なくとも、最新情報以外に2005年の大改正の趣旨は押さえておいてください。

それでは、追補解説の続き、障害福祉施策と住宅施策の重要ポイントを見ていきましょう。

【障害者総合支援法の改正】

2016年6月3日、障害者総合支援法が児童福祉法とともに改正されました。今回の見直しの特徴は、新しいサービスがいくつも創設され、また制度の対象が拡大されたことです。

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こちらは重要度に差がなく、絞り込みをかけるのが難しいのですが...、まず、新しくできた次の4つは確認しておきましょう。

【自立生活援助】

自立生活援助は、知的障害者や精神障害者の一人暮らしを支援するサービスです。障害者支援施設やグループホームなどを出て一人暮らしを希望する場合に、家事や料金の支払い、体調管理など、一人暮らしに伴って必要となることについて、一定期間、助言などの支援を行います。

【就労定着支援】

就労定着支援は、就労移行支援などを利用して一般就労した人を支援するサービスです。お給料の浪費や遅刻といった、就労に伴う生活面の課題がある場合に、家計や体調管理などについて、一定期間、事業所や家族との連絡調整、助言などの支援を行います。

【障害児福祉計画】

障害児福祉計画は、福祉の諸計画に仲間入りしたものです(前号参照)。初めてつくられますから、第1期障害児福祉計画です。これに伴い、障害福祉計画の基本指針にも見直しがなされました。そしてこの2つの計画は関連が強いため、「一体のもの」として作成することができるとされています。

【障害福祉サービス等情報公表制度】

情報公表制度といえば、介護保険制度にもありますね(2級)。介護サービス事業者がサービス内容や運営状況を都道府県知事に報告し、その情報が公表されてインターネットで閲覧できるものです。それと同様の制度が障害福祉サービスにもできました。

もう少しがんばれる方は、内容が拡大された次の3つにも目を通してください。

【重度訪問介護の訪問先の拡大】

重度訪問介護の訪問先が医療機関に拡大され、入院中にもヘルパーが携われるようになりました。特殊な方法の介護が必要な場合、それを熟知したヘルパーの支援は不可欠ですね。医療従事者にニーズを伝達するなどの支援を行うことが認められるようになりました。

【補装具の貸与】

補装具は、もともと購入費または修理費が支給されるしくみです。原則はこれまでどおりですが、一定の場合に「貸与」が認められることになりました。貸与が認められるのは、短期間のみの利用の場合や、仮合わせ前の試用貸与が適切と考えられる場合などで、個別に製作される場合は除かれます。

【障害者総合支援法の対象疾病を追加】

サービスの対象となる難病等の範囲は、当初の130疾病から徐々に拡大され、2017年4月から358疾病になりました。今後も拡大に向けて検討が続けられます。

【住宅施策の対策】

次に、住宅施策について。住宅施策は、3級ではたっぷりと出題されますから3級のみ最重要といえます。ただし、ほかにも重要ポイントがたくさんあるため、追補資料ばかりに時間を使えません。また、2級では例年1問出るか出ないかといったところです。そこで、キーワードに着目して、メリハリをつけた学習をするように心がけてください。

【住宅セーフティネット法の改正】

2017年4月、住宅セーフティネット法が改正され、「新たな住宅セーフティネット制度」ができました。単身高齢者が今後10年間で100万世帯増加する見込みであるなどの状況から求められたためです。ここで押さえたいのは、この1点に尽きます。「セーフティネット住宅」。

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【セーフティネット住宅】

住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅(セーフティネット住宅)事業は、住宅の登録制度です。登録制度といえば、サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)もそうですね。サ高住は、かつての高齢者円滑入居賃貸住宅・高齢者専用賃貸住宅・高齢者向け優良賃貸住宅を再編したものですから、「円滑入居...」とつく名は、少し懐かしい響きです。もっとも、長いので「セーフティネット住宅」を覚えればよいでしょう。

セーフティネット住宅に登録されるには、まず住宅確保要配慮者の入居を拒まないことが必要です。さらに規模・構造・設備等について一定の基準を満たすことが必要で、床面積は25㎡以上(共同居住型住宅(シェアハウス)の場合は住宅全体の床面積基準に加え、1人の専用居室9㎡以上)となっています。登録は、サ高住と同様、都道府県・政令指定都市・中核市が行います。

【支援法人と協議会】

住宅確保要配慮者に対して、セーフティネット住宅やその他の賃貸住宅への入居の支援が積極的に行われるように、そのような活動を行う法人を住宅確保要配慮者居住支援法人に指定し、費用の補助をすることになりました。また、地方公共団体や宅地建物取引業者等では住宅確保要配慮者居住支援協議会を組織することができ、こちらも費用の補助が行われています。

ここまで目に入れておけば心強いでしょう。住宅施策の学習ではメリハリが大切ですからね。

【おまけ:タイミングが微妙だったもの】

「高齢社会対策大綱」(3級のみ)は2017年度がおおむね5年の見直しの時期であり、また「障害者基本計画」も2017年度で前計画期間が満了します。そこで「その後、どうなったの?」というご質問が熱心な方から寄せられているところでした。この2つに関しては、ちゃんと次のものができていますよ。しかし、惜しくも、追補資料の基準日(2018年1月末日)時点で、閣議決定が間に合いませんでした。いずれも「案」の状態で追補資料に掲載されていますが、出題の可能性は低いと考えてよいでしょう。

以上、追補資料の解説でした。

繰り返しになりますが、今回の法改正情報は、試験範囲全体からするとわずかな量です。追補資料ばかりに時間をとられすぎないようにしてくださいね。優先順位は、①これまで続けてきた学習の続き、②全範囲の復習、③追補資料の順ですよ。

◆検定試験・模擬試験情報◆をご確認ください!

試験情報について、◆検定試験・模擬試験情報◆を適宜更新していますのでご覧ください。第40回試験については、4月24日から申込登録が始まりますよ!ちなみに、第39回1級試験の結果が出たのですが、合格率は5.9%だったようです。う~ん。厳しいですね...。

また、今度の第40回試験ではないのですが、その次、11月の第41回試験からは、WEB成績票照会というものがスタートするそうです。これまでの合格証が届くスケジュールよりも、一足早く結果を知ることができます。特に11月試験は結果発表が年を越していたので、年内に照会できるとなると心もちが大分違いますね。楽しみです。

それでは、試験の申し込みを早めに済ませて、残っている試験範囲の学習も早めに仕上げましょう。いまのがんばりは直前期の自分へのご褒美になりますよ!(駒木)

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