2018.4月号 法改正情報~追補解説①~

2018.03.23公開

出ました!試験の詳細が発表されました!

2018年度の試験範囲には、『追補資料』が加わります!
★追補資料はこちら⇒東京商工会議所ホームページ

【2018年度試験の出題範囲と学習法】

2018年度試験は、現在のテキスト(公式テキスト改訂4版。当講座のテキストはこれに準拠しています)に、その後の法改正情報をまとめた『追補資料』を加えて出題されます。

「え~!?試験範囲に追加!?」
と思った方、そうですよね。追加といわれて喜ぶ方はいらっしゃらないでしょう。ただ、新しい内容を学習できるというのは素晴らしいことです。本試験に占める配点はさほど多くはないと予想しますから、肩の力を抜いて受け入れてください。法律は改正されるものです(涙)。

この追補資料は、現在の公式テキストが発行された2016年1月末以降、2018年1月末日までの法改正等のうち、主要なものが掲載されています。主な内容は3つ、介護保険制度等の改正、障害福祉施策、住宅施策です。

といっても、旧法から「変更」になる内容はわずかで、ほとんどが「追加」の施策です。ですから、今後の学習も、現在お手持ちのテキストを中心とし、最後にこの追補資料の内容を上乗せする、という手順で進めてください。

あくまで、試験内容の中心は既存のテキストです。追補資料は、全体からすればわずかな量ですから、気持ちも時間もとられすぎないようにしましょう!

そこで今号は、追補資料のうち、出題が予想されるキーワードを取り上げて解説します。ポイントを効率よく押さえてくださいね。まずは介護保険制度等の改正(2級3級共通)と改正個人情報保護法(2級のみ)について。障害福祉施策と住宅施策は次号にします。

まず「変更」の情報から確認しましょう。

【変更① 介護保険制度の利用者負担割合が最大3割へ】

一定以上の所得のある第1号被保険者は、2014年改正により2015年8月から2割負担になっていました。2017年改正では、そのうちさらに現役並み所得のある人は3負担となりました。

【変更② 介護保険制度の財源構成が変わります】《2級》

財源の50%を占める保険料のうち、第1号被保険者分が23、第2号被保険者分が27になりました。前期は22%:28%でしたね。制度開始以来、見直しのたびに少しずつ第1号被保険者分が増えていっています。これは人口比に基づいて決定されますから、第1号被保険者の人数がどんどん増えているということです。

それでは、ここから「追加」の情報です。

【介護保険制度等の2017年改正の概要】

介護保険制度は3年ごとに見直しされています。今回、2017年改正のテーマは2つ、地域包括ケアシステムの深化・推進と、介護保険制度の持続可能性の確保です。

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【地域包括ケアシステムの深化・推進】

地域包括ケアシステム」は、実は2005年改正から出てきた概念です。この実現のために地域包括支援センターがつくられました。そして2011年改正で改めて地域包括ケアシステムの構築がテーマに掲げられ、2014年改正でも継続されました。そして今度は「深化・推進」です。

地域包括ケアシステムは、住まい、医療、介護、予防、生活支援サービスが日常生活圏域にそろった安心のまちの機能のことです。一朝一夕にできるものではありませんから、このテーマはまだしばらく続くでしょう。

また今回、注目したいのは、地域共生社会というキーワードです。「共生」は、もともと障害福祉施策で使われてきた言葉ですよ。それが介護保険法にも謳われたということは...。高齢者、障害者、障害児という制度の枠組を越えたしくみづくりを目指すようになった、ということです。

具体的には、共生型サービスというものがつくられました。高齢者も障害児者も同じ事業所で受けられるサービスです。事業者には指定を受けやすくする特例が設けられます。また、市町村レベルでの包括的支援体制づくりや、地域福祉計画の策定が努力義務とされました。この計画については少し掘り下げましょう。

【福祉に関する諸計画】

今回の追補資料では、福祉の計画がたくさん取り上げられています。もともとの試験範囲にないものも追加されていますので、ここで少し補足しますね。まず、福祉の計画のなかで上位に位置するのが地域福祉計画です。そのほか、高齢者分野、障害者分野でそれぞれの法のもと、計画が策定されているという構図です。そこに、今回はじめて児童の分野から障害児福祉計画というものがつくられることになり、仲間入りしました(児童福祉法における計画はほかにもありますが、ここでは割愛します)。

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2級まで学習が進んでいる方は、上の図のうち、介護保険事業計画と障害者基本計画はご存知ですよね?...のはず。もともとの試験範囲に入っていますよ。そして障害福祉計画は試験範囲にありませんでしたが、おなじみの障害者総合支援法に基づく計画です。3年を1期として作成されますから、介護保険法に基づく介護保険事業計画と同じような位置づけと思ってください。

これらに関連する内容が追補資料には、3級追補P3、P8、P9、2級追補P3、P8、P9、それぞれ3か所に載っています。バラバラにせずに、つなげてとらえてみてください。

【介護医療院】

ずっと延期されてきた介護療養型医療施設の廃止については、さらに6年間延期になりました。しかし、今回は転換先として新たに介護医療院なるものが創設され、話が進展したようです。介護医療院は、介護保険施設であり医療提供施設でもあり、長期療養のための医療と生活施設としての機能を兼ね備えたものとされています。

「介護療養型医療施設から介護医療院、どう変わるの?」という点については、経過措置も多く、まだなんともいえないのですが...、いまのところ「介護保険適用の病院」から「病院のような介護保険施設」になる、という感じでしょうか...。利用する側からみれば「お部屋が少し広くなるかも」といったところです。

【介護保険制度の持続可能性の確保】

持続可能性」ここでは、財政面のことです。利用する側からしたら、「負担が増える」または「給付が減る」ということ。ですから、あまり喜ばしくない内容かもしれません。今回は、先述したように、現役並み所得のある高齢者の利用者負担割合が3割になりました。また、介護納付金(第2号被保険者から徴収する保険料)が総報酬割になり、簡単にいうとお給料の高い人は保険料が上がることになりました。

【福祉用具貸与の価格】

その他のポイントとして、全国平均貸与価格等を利用者に説明することが義務づけられます。このような規定ができたのは、福祉用具貸与が継続的に利用するサービスのうち、唯一、公定価格がないからですよ。ほかのサービスはすべて介護報酬が決められていて、事業者で価格を設定することができません。福祉用具貸与のみ、事業者が価格を決められるのです。そこで、事業者ごと、当然価格は異なるのですが、あまりにもかけ離れた価格設定は適切でないとして、このような規定ができました(特定福祉用具販売と住宅改修にも公定価格はありませんが、これらは単発のサービスなので、別扱いです)。

なお、細かい知識なのですが、気になる方のために...
P4「定率負担の見直し」の最後に「保険料未納の場合、1割・2割の人は7割給付、3割の人は6割給付」という記述があります。これは、もともと、保険料の滞納に対するペナルティとして、給付をカットしていたものです。皆さんが1~2割負担だったときは、「保険料を滞納すると3割負担になりますよ」でよかったのです。それが今回、高額所得者は3割負担となり、ペナルティにならなくなったので、「3割負担の人が滞納したら4割負担になりますよ」ということになったわけです。

【改正個人情報保護法について】《2級》

世間一般でも認知度が高いのがこの改正かと思います。2017年5月30日から、改正法が全面施行されました。用語の定義に「DNA」や「マイナンバー」が加わっていることから、時代の流れが感じられますね。新しく定義された用語として、特に以下の2点に注目しておくとよいでしょう。

【個人識別符号】《2級》

個人識別符号は、その情報だけでも特定の個人を識別できる、文字、番号、符号などのことです。DNA、顔、虹彩、指紋や掌紋などの生体情報を変換した符号や、パスポート番号、住民票コード、マイナンバーなどの公的な番号が該当します。

【要配慮個人情報】《2級》

要配慮個人情報は、不当な差別や偏見、その他の不利益が生じないように、特に配慮が必要な情報です。人種、信条、病歴、犯罪の経歴、障害があること、健康診断の結果などが該当します。要配慮個人情報は、他の個人情報よりも取扱いが厳しく規定されていて、利用目的の特定や通知または公表のほか、本人の同意が必要とされています。

福祉住環境コーディネーターの実務でいえば、ご利用者の氏名や住所が個人情報なのはもちろんのこと、病歴や障害の程度といったものは要配慮個人情報にあたります。ケアマネジャーや病院、工務店と情報をやり取りすることがありますから、必ず事前に同意を得ておくことを要します。

以上、いかがでしたか?
次号で障害福祉施策と住宅施策を取り上げます。受講中の方には、追補資料をわかりやすく編集し直し、一問一答問題をつけたものを「2018年版フォローアップ」としてお届けします。現在、作成中ですので、しばしお待ちくださいね。(駒木)

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