2017.12月号 2017年度試験の振り返り

2017.12.01公開

11月の試験を終え、はっと気づけば12月。今年も終わりが近づいてきましたね。今年は皆さんにとってどんな1年でしたか?

福祉住環境コーディネーターの検定試験は、公式テキストの改訂もなく、合格率の乱高下もなく、比較的平和な1年だったように思います。そんな試験を振り返りながら、合格率の推移や学習法などをお伝えします。

【第39回試験のデータから】

はじめに、先月行われた第39回試験については、総評を少し修正しなければなりません。自動採点サービスにご入力いただいたデータを分析してみたところ、3級よりも2級の平均点のほうが高くなりました(11.28現在の速報値で、3級の平均点:70点、2級の平均点:73点くらい)。(※速報値は、実際よりも高くなる傾向があります)

2級を受験なさった皆さん、予想以上の好成績でした!「やや難しく、合格率が下がるかも」などとは失礼でしたね。お許しください。合格率は上がりそうです。

【今後の合格率はどうなる?】

第1回から第38回までの合格率を下のグラフにまとめました。第39回試験の結果は1級まで出揃うのが来年3月になりますので、しばしお待ちを。

合格率.png

合格点の補正が行われない絶対評価の試験なので、合格率の乱高下が激しいですね。そして、ときどき2級のほうが、合格率が高くなっています。

3級よりも2級の合格率が高くなるのにはいくつか理由があり、ひとつは実務の関係者が2級のみを受験することが多いためだと考えられます。3級試験は半数が学生さんですが、2級試験は半数が医療・福祉・建築関係にお勤めの方々です。関係者が受験することで受験生のレベルが高くなると、合格率も高くなります。

また、試験によって、難易度に差があることも影響します。ただ、この難易度というのは一言で語れない複雑なものなのです。内容自体は難しくても、過去問と類似していれば正解率は高くなります。皆さんが過去問対策をしている証拠ですね。また反対に、論点がずれると基礎知識であっても正解率は低くなります。さらに長文や問題形式によってケアレスミスが引き起こされることもあり、意外な数字が出ることがあります。

【過去問学習の落とし穴】

そこで、データを用いて急激に正解率が下がる現象をご説明します。ここから過去問題を使った学習法の落とし穴が見えますよ(以下のデータもすべて自動採点サービスより抽出)。

具体的にご説明したいので、まず「建築基準法の影響で段差が多く、尺貫法の影響で幅員が狭くなりがち」を覚えてください。そのうえで、下の問題(の一部)を見てみましょう。

①「尺貫法の影響で幅員が狭くなりがち」→適切
(第37回3級第1問ウ正解率92.9
シンプルに問うと、ほとんどの方が正解します。いわゆるサービス問題ですね。

②「建築基準法の影響で幅員が狭くなりがち」→不適切
(第36回3級第1問イ正解率71.4
よくある引っかけ問題では、正解率はやや高めです。

③「尺貫法の影響で段差が多い」→不適切
(第38回3級第1問ウ正解率30.9
急激に正解率が下がり、いわゆる難問になってしまいました。これが落とし穴です。

「建築基準法の影響で段差が多く、尺貫法の影響で幅員が狭くなりがち」をワンフレーズとして覚えていれば(もしくはイメージでき、理解できていれば)、①~③は同じように解けるはずです。この検定試験は過去問題が繰り返し出題される傾向にありますが、このようなアレンジが加えられることを忘れないでくださいね。過去問題で学習する際には、そのまま丸暗記してもダメですよ。2017.4月号でも触れましたが、何度でも口酸っぱく言います。丸暗記はダメ

落とし穴を埋める確実な方法は、テキストに戻って周辺の情報まで確認することです。全問の復習をテキストで行うのは時間がかかりますから、間違えた問題、迷った問題だけでもかまいません。このひと手間で「過去問100点、本番50点」という現象から抜け出せます。

【個数問題はどうなる?】

次に、最近現れ始めた個数問題について。個数問題は、消去法が使えず、すべての肢の正誤を判断しないといけないので難度が上がります(個数さえ合っていればいいので、違う肢を同じ個数選んでも正解ですが、その確率は低いです)。

この個数問題、難易度調整のために現れたと思われますが、3級では第38回のみで第39回はなくなりました。定着しなかったようです。一方、2級試験では、第37回、第38回、第39回と続きましたので、こちらは定着したといえるでしょう。今後も2級に限っては2問程度の出題が続くと思われます。対策は...すべての肢を判断すること。それしかない...。

【枕の向きは気にしないで】

第39回試験、2級事例問題の寝室レイアウトをみると、ベッドの配置は南枕でしたね。個人的にとても「ほっ」としました。というのも、現在の問題形式になった第33回試験以降、寝室のレイアウトが出るたび、決まって北枕だったのです(第36回、第38回)。

北枕については諸説あり、悪い意味ばかりではありません(実は私も枕は北か東派です)。でも、北枕を嫌う方が多いのは事実ですよね。実務では、ご本人の意向を確認する配慮が必要でしょう。

枕の向きは試験範囲に含まれないため、特に明記されない限り、解答にあたって考慮する必要はありません。気になる方だけ、過去問題を解きながら注目してみてくださいね。

【1級まで目指そう!】

久々に書きますが、2級合格後はぜひ1級まで目指してください! 理由は、「そこに試験があるから」。深い意味はないです。ごめんなさい。

ただ、単に合格率を見て、「無理」と決めつけている方がいらっしゃったら、それはもったいないことだと思うのです。1級試験の合格率は、相場が上がってきていますよ。以前は5%を下回りましたが、近年では6~7%程度になっています。

「それでも7%って...」と声が聞こえてきました。7%という合格率は確かに低いですが、個人的にはあまり気にする必要はないと思っています。というのも、他人の合否は自分には関係がないからです。自分のことだけでいえば、合格するかしないか、2分の1でしかないわけで。受験すれば2分の1、しなければ0。そんなシンプルな考え方も、ときには必要だと思うのです。

とはいえ、やはり極端に低い合格率には、重要な意味があります。「それ相応の対策が必要だ」という指標ですね。学習量の参考にしてください(1級の学習法については2016.12月号参照)。

来年度、2018年度試験の情報については、随時お知らせしていきます。◆検定試験・模擬試験情報◆を更新しますのでときどきリロードしてくださいね。

以上、年納めのつれづれでした。今年もまた厚いご支持をありがとうございました。
来る2018年、皆さんにとって素晴らしい幕開けとなりますように。(駒木)

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