2017.10月号 覚えておきたいカタカナ語

2017.10.02公開

世のなかに氾濫するカタカナ語、この検定試験も例外ではありません。特に福祉の分野では、諸外国の概念を引用し、そのままカタカナ語で表現していることが多くあります。そこで今号は、覚えておきたいカタカナ語をまとめてミニ解説します。

アクセシブルデザイン3級》
accessible design
共用品と同義語です。共用品は日本生まれの「より多くの人に使いやすいデザイン」で、これがISO/IECガイド71のなかで、アクセシブルデザインと英訳されました。

アセスメント2級》
assessment
評価・査定という意味です。特にケアマネジメントでは「課題分析」をさし、情報収集から目標設定までを含みます。対象者の基本情報、生活歴、ADL、居住環境など、過去から現在までの生活と支援にかかわる情報を聞き取り、解決すべき課題を明確化して整理するという、計画作成に向けた重要なステップです。

アダプタブル3級》
adaptable
わずかな手間で調整可能、適応可能な性質のことです。身近なものでは、身長に合わせて高さを変えられる家具や、シンク下の可動式の収納(外すと車いすの膝入れスペースになる)などがこれにあたります。フレキシブル(順応性がある)と近い意味ですね。

アドボカシー2級》
advocacy
代弁する、弁護するという意味から、人権侵害に遭いやすい人への権利擁護を広く含んで意味するようになっています。福祉住環境コーディネーターの実務でいうと、意思表示が困難な方の意向を汲み取ったり、本人の立場から提案したり、わかりやすく説明する工夫をしたり、契約や支払いのときに家族や後見人等に立ち会ってもらったりする対応をとることです。

アンビバレント2級》
ambivalent
ひとつの物事や人物に対して相反する感情を同時に抱くことをいいます。「好きだけど嫌い」のような矛盾した気持ちも、どちらかが嘘なのではなく、どちらも本当だということです。その背景には葛藤や混乱があるかもしれません。

インフォームド・コンセント2級》
informed consent
「説明と同意」のことです。もともとは医療分野で、手術前にその内容やリスクをきちんと説明し、同意を得るべきだとして実践されたものです。最近では患者が受け身ではなく主体になるように、という考えに発展していますから、「説明と同意」は最低限のルールといえます。

エイジング・イン・プレイス3級》2級》
aging in place
地域居住のことです。もっともふさわしい場所、つまり住み慣れた地域で老後生活を過ごそうという考えです。年齢を重ねて虚弱になっても、住み慣れた自宅や地域で暮らすことを希望するなら、それが叶えられるべきです。施策としては「地域包括ケアシステム」でこの実現を推進しています。

ケアマネジメント2級》
care management
日本には介護保険制度で導入された支援の手法です。受付後、アセスメント、ケアプランの作成、ケアプランの実施、モニタリング、そして再びアセスメントに戻る、というプロセスで展開します。アセスメントに基づいた目標達成に向けて、ケアプランに位置づけられたサービスが提供されます。障害者ケアでも取り入れられました。

ストレングス2級》
strengths
できること、強み、長所のことです。そしてこのような本人のもつ力に注目することを「ストレングスの視点」といいます。支援という性質上、つい対象者の「できないこと」にばかり目を向けがちですが、できることを活用する発想も必要です。

ノーマライゼーション3級》
normalization
「ノーマルな(普通の)生活を送れるように」という考えです。障害や病気があっても、それが無い人と同等の、普通の生活を送る権利は保障されるべきであり、それが実現される社会にしていこうという理念です。知的障害者が社会から隔絶され、非人間的な扱いを受けていたことを問題視したバンク-ミケルセン(N.E.Bank-Mikkelsen)が提唱しました。

ノンバーバルコミュニケーション2級》
non-verbal communication
バーバル(言語)を使わないコミュニケーションです。外見的特徴、しぐさやジェスチャー、スキンシップなどさまざまな要素があり、特に表情は多くの情報を相手に伝えます。そしてその情報は事柄よりも感情です。対象者の表情や態度からにじみ出る感情をしっかりと汲み取れるよう、観察者には力量が求められます。

バーバルコミュニケーション2級》
verbal communication
バーバル(言語)を使ったコミュニケーションのことです。適切な言葉選びはもちろん、声量やスピード、口調にも配慮が必要です。また質問(開かれた質問・閉じられた質問)、言い換え、要約などの会話の技術も駆使しながら、ノンバーバルコミュニケーションとの組み合わせによって上手に成立させましょう。

パターナリズム2級》
paternalism
父親的温情主義ともいいます。強い立場にある人が、弱い立場にある人のためにと干渉しすぎることです。福祉住環境コーディネーターの場合は、「あなたのため」「このほうがよい」と本人の意向を無視して強引に提案を通すようなことです。たとえ親切心であっても、このような態度はいけません。

バリアフリー3級》2級》
barrier free
障壁を除去することです。もともとは建築物などの物理的なものを除去する意味でしたが、現在ではもっと広くとらえられています。1995年の「障害者白書」では、生活環境のなかに存在するバリアを、①物理的バリア、②制度のバリア、③文化・情報のバリア、④意識のバリアの4つに定義しています。

ミスター・アベレージ3級》
Mr.average
平均的な人体寸法の男性のことで、想定上の、架空の人物です。従前、建築物などを整備する際にはミスター・アベレージに合わせてきました。しかし、存在しない人を想定してつくったために、想定から外れた人が使えないような環境がつくられてきた、という反省がなされました。すべての人の平均をとったとしても、平均どおりの人などいません。現在はこの反省が生かされ、生の声が大切にされるようになってきています。

ユニバーサルデザイン3級》
universal design
すべての人々に、可能な限り最大限に使いやすいデザインです。ただ「こうすればよい」という答えはないので、常に目指していくべき理念であるといえます。これを提唱したロナルド-メイス(Mace,R.L.)も、完璧なデザインは不可能だと言っていたそうです。アダプタブルを取り入れたり、数種類から選べるようにしたりするなどの工夫もあわせることで、すべての人々にとっての使いやすさを目指します。

リバースモーゲージ3級》2級》
reverse mortgage
死亡時一括償還型融資のことです。土地や住宅を所有したまま担保として民間金融機関の融資を受け、死亡時に土地や住宅を処分するなどして返済する制度です。所得が少ない高齢者でも、持ち家に居住している場合に資金調達のために活用できます。高齢者向け返済特例制度などで採用されています。

いかがでしたか?
覚えておくと、3級は福祉用具分野(共用品・バリアフリー・ユニバーサルデザイン)、2級は福祉分野(相談援助)で得点につながりますよ。ただ、試験対策としてはこのまま覚えてほしいのですが、誰かに説明するときには、相手にわかりやすい言葉に変換してくださいね。響きはカッコよくても、伝わらなければ困ってしまいます。

それでは、次号は出題予想をお届けします!そろそろ追い込みに入ってくださいね!(駒木)

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