2017.9月号 建築分野に強くなる!

2017.09.01公開

今日は91日、「防災の日」です。防災への意識は常に保っておくべきですが、ついつい忘れがちですよね。この機会に、家具の固定、緊急時の連絡方法、避難場所、備蓄品などをチェックしてみてはいかがでしょうか。

続いて、第39回試験の申込期間も要チェックです!912日(火)~1013日(金)ですのでお手続きはお早めに。そして、申し込みを済ませたら、試験モードに入りましょう!そこで今号も引き続き、建築分野の強化月間にします!建築分野の学習方法について、よく寄せられるご質問は...

Q:寸法って、どのくらい試験に出るの?
A:少しですが、無視できない量です

Q:寸法はどこから覚えればよいの?
A:段差、勾配、手すりから覚えましょう

Q:図面の読み取りが苦手です...
A:図面の世界のなかに入ってみましょう

それでは、1つずつご説明します。

【寸法って、どのくらい試験に出るの?】

38回試験では、寸法を覚えていないと解けない問題(①寸法の問題)の選択肢を数えてみると、3級(167肢中)7肢、2級(159肢中)3肢でした。これは全体の24程度です。少なさに驚きましたか?毎回、同じような傾向です。

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ただし、解答の判断に直接影響はないものの、文中に寸法が含まれていたり、図面から寸法を読み取ったりする問題(②寸法が含まれた問題)を加えるとそれぞれ68程度になります。う~ん。このくらいになると、無視できない量になってきますね。

そこで、対策としては、時間をかけて丸暗記する必要はないものの、あまりにも見覚えのない寸法にビックリしないように、「よく出るものだけ覚える」「その他はおおまかに把握しておく」という対策をオススメしています。

【寸法はどこから覚えればよいの?】

そこで、必ず押さえてほしい寸法の優先順位については、出題頻度からすると次のとおりです。

1)段差
2)勾配
3)手すり

1)段差
まず、工事の際には、どうしてもわずかな誤差が生じます。そこで、床段差は5mm以下にすることをめざします。「5mm以下」という数字は、住宅性能表示基準の高齢者等配慮対策等級でも「段差なし」とみなされている寸法です。

どうしても大きな段差になりがちなのは玄関の上がりがまちですね。この段差が生じる原因は、建築基準法(施行令)です。木造床面は、直下の地面から450mm以上高くしなければならないという規定があるため、屋内外の出入り口である玄関やアプローチで段差が生じます。

ここまでの基本知識を押さえたら、敷居段差の解消方法を覚えましょう。これは寸法ではなく、への字プレート(異なる床仕上げをおさめるもの)、V溝レール(床板に埋め込むレール)、フラットレール(床板表面に取り付けるレール)を区別しておいてください。

2)勾配
スロープと階段は、安全な勾配にすることが重要です。スロープの勾配は、112115です。勾配と距離の計算は、2016.10月号を参照してください。

階段の勾配は、RT67、かつ550mm2RT650mmです(高齢者等配慮対策等級54)。ただしこの計算式はあまり出題されないので、覚えられなくても心配ありません。これに適合した寸法、踏面300330mm程度、蹴上げ110160mm程度、こちらを覚えましょう。

踏面は踏みつける面のこと
蹴上げは蹴り上げる高さのこと
ここで要注意です。踏面と蹴上げを入れ替える引っかけ問題がよく出題されます。踏面と蹴上げを専門用語だと思わないでくださいね。文字どおりの意味です。

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寸法を逆にしたら、こんなことになってしまいますよ↓。踏面のほうが小さいなんて、あり得ません。これなら梯子(はしご)にしたほうがよさそうです。

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3)手すり
手すりは一般的に、「縦手すり」「横手すり」という呼び方をするので、「縦」「横」という分類と思われがちですが、実際には少し違います。手すりは、用途によって使いやすい太さが異なるので、設置の向きではなく、太さで分類します。

■しっかり握るのは細めのグラブバー
グラブバーは、玄関やトイレ、浴室などで、移乗や立ち座り動作のときにしっかりとつかまって使用します。そのため、直径は細めの2832mm程度です。

設置する位置は、トイレのL型手すりを要チェック。横手すりの上端は車いすのアームサポートにあわせて便座面から220250mm上方、縦手すりの芯は便座先端から200300mm前方が基本です。

■手を滑らせるのは太めのハンドレール
ハンドレールは、廊下や階段などでからだの位置を移動させるときに手を滑らせながら使用します。そのため、直径は太めの3236mm程度です。

設置する位置は、通常は大腿骨大転子にあわせて床面から750800mm程度、前腕を乗せる場合には肘にあわせて1,000mm程度です。

ここまで押さえたうえで、廊下の幅員、トイレ・浴室・寝室のスペースに目を向けてください。さらに余力がある方は、3級:キッチン、2級:照度にも取り組みましょう。言い換えると、段差、勾配、手すりをあいまいにしたまま照度に手を出してはいけない!ということです。

【図面の読み取りが苦手です...】

最後に、図面の読み取りについて。図面は、平面図からの読み取りを主として、部分的な展開図が出ることもあります。図面を引くには知識が必要ですが、読み取りについては、その世界のなかでの動きさえイメージできれば難しくありません。

そこで苦手意識のある方は、間口と奥行きから把握しましょう。わからなくなってしまう原因はここかもしれませんよ。間口と奥行きは、主に使用する向きで見て判断し、横幅が間口、向こう側までの距離が奥行きです。部屋の場合は出入り口の位置や動線で判断し、トイレの場合は便器の向き、住宅全体の場合は正面の道路から見た向きで決まります。

■問題1 間口と奥行き、どっちがどっち?
下の図は、洗面・脱衣室とトイレの間の壁を撤去した例です。もともと、トイレには図右下の開き戸から出入りしていましたが、新たな出入り口ができました(人がいるところ)。この場合、間口と奥行きはどうなるでしょうか...?

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答えは、



こちら↓。トイレは便器の向きで判断しますから、出入り口が変わっても、間口と奥行きの向きは変わりません。

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■問題2 概算してみよう

もう1問、応用問題を出します。今度の全国統一直前模擬試験の問題の一部で、玄関アプローチに、スロープと階段を併設した例です。さて、この階段の蹴上げは適切でしょうか?

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答えは、



適切です。GL350とあるため、地盤面と玄関ポーチ(図左上)の高低差は350mmです。そこに、3段設置していますから、蹴上げは350mm3で割った≒117mmですね。これは、先述した寸法110160mmの範囲におさまるので適切です。ちなみに、階段は2段じゃないですよ。3段あります。

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この問題が解けなかった方は、苦手意識で頭がガチガチに固くなっているのだと思います。厳密な計算は求められていません。この場合、概算で「110160mmの範囲かな」と判断できればよかったのです。図面に描かれた要素を把握し、覚えた知識と結びつければ応用問題も攻略できます。だから、構えずに図面の世界のなかに飛び込んでみてくださいね。模擬試験では、これにスロープの寸法も加えた問題を出しますよ。現在、鋭意制作中です。

いかがでしたか?
建築分野で行き詰っている方は、ここでコツをつかんだら、優先順位の高いところを見直して次の学習に進んでくださいね。この試験の面白さは、試験範囲すべてを学習し終わってから味わえます。だって横断的な視点をもつコーディネーターですから。止まらずにどんどん取り組みましょう!(駒木)

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