2017.6月号 第38回試験出題予想!2級

2017.06.01公開

7月の第38回試験まで、5週間あまり!お待たせしました。まずは2級から出題予想(キーワード解説×20)をお届けします。ちなみに前回の出題予想は、ズバリ的中50%(1020)、かすった問題も含めると75%(1520)でした。受験なさった皆さんのお役に立ったはず!今回も張り切ってヤマ当てしました。

2級の出題予想】

①介護を受けたい場所
介護保険制度に関する世論調査(内閣府2010年)によると、介護を受けたい場所として「自宅」と回答した人がもっとも多く37.3%、「特別養護老人ホーム等への入所」は26.3%、「有料老人ホーム等への住み替え」は18.9%でした。「自宅」と回答したのは、男性44.7%、女性31.1%で男性のほうが多く、将来の介護や住まいに対する考えに男女差がみられました。

②措置制度から社会保険へ
介護保険制度施行前の老人福祉は老人福祉法による措置制度が基本でした。現在では老人福祉と老人医療の各制度を再編した介護保険制度が施行され、社会保険のしくみで介護サービスが受けられるようになりました。措置制度は現在、やむを得ない理由がある場合に限り機能しています。

③身体障害者の改修場所
身体障害児・者実態調査(2006年)によると、身体障害者が住宅改修を行った場所は「トイレ」「風呂(浴室)」がもっとも多く、それぞれ過半数を占めました。日常生活のなかでもっとも身体機能を駆使する場所がトイレや浴室であり、自立支援や介護負担軽減の必要性が高いことを示しています。

④相談援助の基本的視点
できないことを補完するだけでなく「できること」、強み、長所に着目するストレングスstrengths)の視点が必要です。課題解決の主体は対象者本人であるため、徹底して本人の自己決定を支えます。またこのとき、対象者を「点」ではなく社会環境という「」のなかにある人としてとらえ、人とその環境を「システム」として見る視点も重要です。

⑤福祉関連の専門職
介護福祉士[国家資格]は、心身の状況に応じた介護や介護の指導を行う専門職です。社会福祉士[国家資格]は、福祉に関する相談に応じ、助言を行う専門職です。なおソーシャルワーカーは、資格の有無を問わず相談援助の職に就いている人をさします。精神保健福祉士[国家資格]は、精神障害者の社会参加などに関する相談に応じ、助言を行う専門職です。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険法に基づくケアマネジメントを行う専門職で、5年の更新制です。

⑥建築関連の専門職
インテリアコーディネーターは公益社団法人インテリア産業協会が、インテリアプランナーは公益財団法人建築技術教育普及センターが実施する資格制度です。そしてマンションリフォームマネジャーは公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが資格試験を実施しています。増改築相談員も同じ団体の資格ですが、こちらは10年以上の実務経験が必要です。

ICIDHからICF
ICIDH(国際障害分類)は、「機能・形態障害」→「能力障害」→「社会的不利」という概念で障害を示したところ、一方向的でマイナス面だけに注目している、医学モデルに偏っているという批判が起こりました。それを改訂したICF(国際生活機能分類)では、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」で生活機能を示し、「健康状態」や背景因子(「環境因子」・「個人因子」)と双方向に働く概念として、プラス面も重視しました。また「環境因子」を加えたことは医学モデルと社会モデルの統合を図ったといえます。

⑧病的老化と老年症候群
比較的若々しさを保つ通常老化(健常老化)に対して、病的老化は老化促進因子が加わり老化現象が急速に進んだ状態をいいます。また高齢者特有の機能低下による症状群を老年症候群といい、これには血液の循環障害である褥瘡、摂食・嚥下障害から引き起こされる誤嚥性肺炎、低栄養や免疫機能低下などが含まれます。

⑨脳血管障害
脳血管障害は、大きく、クモ膜下の動脈瘤が破裂するなどして起こる「クモ膜下出血」、高血圧などによって脳内の細い血管が破れる「脳出血」、脳の血管が詰まる「脳梗塞」に分けられます。もっとも多いのは脳梗塞で全体の7080%を占めます。現在では急性期からリハビリテーション医療が開始されます。

⑩糖尿病
糖尿病は1型と2型に分けられ、日本では2型糖尿病が患者の約95%を占めます。2型糖尿病は膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンの量や働きが十分でないために高血糖状態となって起こります。初期には自覚症状がありませんが、高血糖状態が続くと、口渇、多飲、体重減少などが現れ、さらに進行すると合併症が現れます。その代表が糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、糖尿病腎症の3大合併症です。

⑪聴覚のしくみ
音波は外耳道を通って鼓膜を震わせます(ここまで外耳)。鼓膜から耳小骨に伝わった音波は調整され(ここが中耳)、カタツムリの形をした蝸牛で電気信号に変換されます(ここが内耳)。そして大脳の聴覚中枢に送られ音として知覚します。外耳~中耳が伝音系、内耳から大脳が感音系です。高齢者に多い加齢性難聴は感音系の障害(感音難聴)です。

⑫手すりの設置
手すりの端部は、ぶつからないように壁側に曲げ込んで納めます。形状や設置位置は場所と動作に応じて決めます。玄関の上がりがまち段差では、鉛直線上の壁面に縦手すりを設置するのが基本ですが、握力が弱い場合には勾配に合わせた横手すりにしたり、水平に2本取り付けたりもします。トイレでは、立ち上がり動作をもっとも優先させ、立ち上がり時に利き手側で握れる位置に縦手すりを、または座位保持用の横手すりも兼ねたL型手すりを用います。

⑬家具と設備
いすは、立ち座りのしやすさ、腰かけた状態での生活動作のしやすさ、メンテナンスのしやすさを考慮して選びます。机は、いすや車いすとの相性が大切で、アームサポートがぶつからないものを選びます。また住宅用火災警報器はすべての住宅に設置が義務づけられています。消防法では寝室と寝室がある階の階段への設置を規定していますが、条例によって台所にも追加している市町村があります。

⑭アプローチの段差解消
道路から玄関ポーチまでのアプローチの高低差を階段で解消する場合、階段の寸法は、蹴上げ110160mm程度、踏面300330mm程度とします。スロープの場合は勾配112115程度とし、上下に1,500mm以上の平坦部を確保します。敷地が広ければ階段とスロープを併設させ、敷地が狭い場合は段差解消機を設置して対応します。パーキンソン病の人はスロープ上の歩行が苦手であったり、関節リウマチの人は通常の蹴上げでも昇降に痛みを伴ったりするため、個別の状況に応じて判断します。

⑮トイレのスペース
トイレのスペースは、車いすを使用している場合、介助用でも自走用でも間口1,650mm×奥行き1,650mm(壁芯-芯距離1,820mm×1,820mm6尺四方)あると、おおむねどのようなアプローチも可能です。細かくいうと、前方アプローチでは奥行きが有効寸法1,800mm(壁芯は6尺より少し大きい)、側方アプローチでは6尺四方、横方向アプローチでは便器側方に800mmの移動スペースが必要です。出入り口は引き戸とし、開き戸の場合は外開きにします。

⑯図面からの読み取り(事例対策)
5問の事例では、近年、図面(主に平面図)からの読み取りが出題されます。よく問われる内容は、建具の種類、段差、幅員や奥行きの寸法です。玄関の上がりがまち段差は、玄関の土間(靴のまま入るところ)とホール(靴を脱いで上がるところ)の間ですので、この場所を間違えないように確認し、G.L.からの高さの差を引き算して求めてください。また、幅員や奥行きの寸法は図面の外側をたどっていき、寸法線を確認します。ただしこの寸法は壁芯-芯距離であることに注意してくださいね。有効寸法は、これより少し小さな数字になります。

第38回出題予想図面読みとり.png

⑰介護保険における福祉用具
福祉用具法では幅広く福祉用具を定義していますが、介護保険制度で支給対象となる福祉用具は限られています。さらに、特殊寝台や車いすなど一定の種目は軽度者(要支援者、要介護1の人)に原則として支給されません。例外として支給を受けるには、認定調査データに基づくか、医師の判断ケアマネジメントでの判断市町村の確認という手続きを経て、疾病等により必要な状態を認めてもらいます。

⑱特殊寝台と付属品
特殊寝台は、背上げ機能でからだを起こし、昇降機能で立ち上がりや介助者の動作を補助します。背上げをするときは、先に脚部を上げてからだがずれないようにします。床ずれ防止用具は、体圧を分散するために柔らかくなっているので、柔らかすぎて寝返りや起居動作がしにくくならないように留意します。サイドレールはベッドからの転落防止のための柵です。起居動作等の支えには、ベッド用手すりを用います。

⑲車いすのブレーキと機能
車いすのブレーキには、てこの原理のレバー式、同じ操作でブレーキ制御と解除が交互に作用するトグル式、押しても引いてもブレーキがかかるP.P.(プッシュ・プル)式などがあります。リクライニング式車いすは、背もたれが後方へ倒れ、レッグサポートが挙上します。ティルト機構があると、シートと背もたれの角度を保ったまま後方に倒せます。

⑳トイレで用いる福祉用具
据置式便座は、和式便器や両用便器の上に置いて腰かけられるようにできます。補高便座は、洋式便器の上に置いて高さを補います。立ち上がり補助便座も洋式便器と組み合わせて用いますが、こちらはスイッチ操作で便座が昇降します。トイレ用手すりは、工事を伴わずに設置できる手すりですが、簡易な分、外れることもあるため安全性を確認します。

いかがでしたか?ちなみに今回は、前回の出題予想と異なる内容を取り上げました。毎回のようにお目見えする頻出テーマは前回の出題予想にも入っていますので、あわせてご覧になると効果倍増です(2016.10月増刊号)。

●定番問題はこれだ!

最後に、定番問題のご紹介です。過去問題のなかで特に力を入れるべき問題を取り上げます。以下の問題は飛ばさないで攻略してくださいね。1肢ずつ、人に説明できるくらいまで理解度を上げておきましょう。

【第37回過去問題】

第2問イ、第2問エ、第4問4-1、第4問4-2、第5問5-1ア、第6問エ、第7問ア、第8問ウ

第38回試験当日(7月9日)には、今年も、解答速報・自動採点サービス、試験総評(この指導部だよりで公開します)、そしてTwitterユーキャン解答速報アカウントからの実況中継を行う予定です。まだエンジンがかからないという方は、前回の試験総評などを見て、気持ちを試験モードに切り替えてくださいね。もう気合を投入して早すぎる時期ではありませんよ!
3級の出題予想は、近日中に増刊号として公開します。(駒木)

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